合成生物学は、高度なバイオセンシング・アプリケーションを含む、生体システム内でカスタム設計された動作を実現する遺伝子回路を設計することを目的としている。CRISPRシステムは、そのモジュール性、プログラム可能性、精度、そして直交性により、遺伝子回路設計のベースになる技術として期待されている。
中国に英国が加わった研究チームの総説は、転写レベルと翻訳レベルの双方で遺伝子制御を実現するためのCRISPRベースのツール(特に、CRISPRaとCRISPRi)に焦点を当てる。次いで、これらのCRISPR技術が、生体システム内でカスタマイズされた論理計算を実行できる複雑な遺伝子回路の設計と構築をどのように促進するかについて考察する。さらに、CRISPRベースの遺伝子論理回路のバイオセンシングへの応用を概説し、多様な生物学的シグナルおよび環境シグナルの検出における可能性を強調する。最後に、CRISPRベースの遺伝子論理回路の開発と応用における主要な課題を明らかにし、これらのボトルネックを克服するための今後の研究の方向性を提案する。
[出典] Review "CRISPR-enabled genetic logic circuits for biosensing" Wang X [..] Wang B. TrAC Trends Anal Chem. 2025-05-11. https://doi.org/10.1016/j.trac.2025.118297 [著者所属] Zhejiang U, Cranfield U, U Glasgow, Beijing Life Science Academy
コメント