びまん性正中神経膠腫(Diffuse Midline Glioma: DMG)は、主にヒストンH3遺伝子のK27M変異(H3K27M)を特徴とする致死的な小児脳腫瘍である。H3K27Mは、ポリコーム抑制複合体2(PRC2)を介したH3K27トリメチル化(H3K27me3)の全体的な減少を引き起こし、主良用増殖を促す。逆説的に言うと、PRC2はDMG細胞に必須であるが、その下流の分子メカニズムは十分には解明されていない。
Trinity College Dublinとペンシルベニア大学を主とするアイルランド、米国、英国、オランダ、スペインの研究チームは今回、ゲノムワイドおよびクロマチンにフォーカスしたCRISPR-Cas9スクリーニング、プロテオミクス、クロマチンマッピング、そして機能解析を介して、
CBX4およびPCGF4を含むカノニカルなポリコーム抑制複合体1(cPRC1複合体)がH3K27M変異DMGにおいて必須であることを明らかにした [グラフィカルアブストラクト引用右図参照]。
CBX4およびPCGF4を含むカノニカルなポリコーム抑制複合体1(cPRC1複合体)がH3K27M変異DMGにおいて必須であることを明らかにした [グラフィカルアブストラクト引用右図参照]。 CBX4は、新規な機能領域を介してPCGF4含有cPRC1と優先的に会合する。DMG細胞における特徴的なH3K27me3ランドスケープはcPRC1複合体の分布を再構成し、CBX4/PCGF4-cPRC1はH3K27me3に富むCpGアイランドに集積する。CBX4/PCGF4-cPRC1は、DMG中でcPRC1の5%未満を占めるに過ぎないが、その独特な抑制機構が、DMGの増殖に不可欠であり、他のより豊富なタイプのcPRC1は不要である。
こうして、遺伝子抑制において特定のcPRC1複合体がそれぞれ異なる、かつ重複のない役割を果たしていることが浮き彫りになり、H3K27M変異DMGの新たな治療法開発の可能性が示された。
[出典] "A specific form of cPRC1 containing CBX4 is co-opted to mediate oncogenic gene repression in diffuse midline glioma" Lagan E, Gannon D [..] Phillips RE, Bracken AP, Brien GL. Mol Cell. 2025-05-21. https://doi.org/10.1016/j.molcel.2025.04.026 [著者所属] Trinity College Dublin, U ollege Dublin, U Edinburgh, MIT, Perelman School of Medicine, Beckman Research Institute, Radboud University Nijmegen (Oncode Institute), The Netherlands Cancer Institute, Hospital Sant Joan de Déu Barcelona
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