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科学分野の比較的新しい論文と記事を記録しておくサイト: 主に、CRISPR生物学・技術開発・応用 (ゲノム編集, エピゲノム編集, 遺伝子治療, 分子診断/代謝工学, 合成生物学/進化, がん, 免疫, 老化, 育種 - 結果的に生物が関わる全分野) の観点から選択し、時折、タンパク質工学、情報資源・生物資源、新型コロナウイルスの起源・ワクチン・後遺症、機械学習・AIや研究公正からも選択

 感染症は、水痘帯状疱疹後の帯状疱疹や、連鎖球菌感染後のリウマチ熱など、持続的な症状や疾患を引き起こす可能性がある。同様に、重症急性呼吸器症候群コロナウイルス2(SARS-CoV-2)感染は、典型的には疲労、肺症状、認知機能障害として現れるロングCOVID(long coronavirus disease)を引き起こす可能性がある。ロングCOVIDが存在することは広く認識されるに至ったが、その生物学的メカニズムは依然として不明である。

 今回、スウェーデンのカロリンスカ研究所とフィンランドの分子医学研究所の研究者らが主導した国際共同研究において、16か国24の研究から最大6,450人のロングCOVID症例と1,093,995人の対照群を含むロングCOVIDのGWASが実施された。

 その結果、標題のようにロングCOVIDのリスクを約60%上昇させる遺伝子変異を発見した。FOXP4 遺伝子座位(chr6: 41,515,652 G > C、ゲノムリファレンスコンソーシアムヒトビルド38(GRCh38)、rs9367106をリードバリアントとしてゲノムワイドで有意な関連が認められた。この遺伝的関連性は、さらに、9,500人のロングCOVID症例と798,835人の対照群で再現された。

 転写因子FOXP4は、肺の発達と肺疾患に関与することが知られており、今回の結果は、肺機能障害がロングCOVIDの発症に重要な役割を果たしていることを示唆している。

[出典] "Genome-wide association study of long COVID" Lammi V, Nakanishi T, Jones  SE [..] Zeberg H, Ollila HM; Long COVID Host Genetics Initiative, FinnGen, VA Million Veteran Program, MexGen-COVID Initiative, DBDS Genomic Consortium, GEN-COVID Multicenter Study, PHOSP-COVID Collaborative Group, GENCOV Study, Estonian Biobank Research Team. Nat Genet 2025-05-21. https://doi.org/10.1038/s41588-025-02100-w
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