CRISPR編集の結果を高感度で正確に検出・定量することは、植物における新しいゲノム編集アプリケーションの開発に不可欠である。これは、一過性発現をベースとするアプローチから異種集団を解析する場合や、植物体内のガイドRNA(gRNA)の性能評価を行う場合に特に重要です。しかし現在は、ゲノム編集の結果を定量化するために大きく異なる手法が用いられており、結果の比較可能性と再現性が制限されている。
クイーンズランド大学の研究チームは今回、幅広い効率にわたって植物ゲノム編集を定量化するための実験手法を体系的に評価・比較した。標的アンプリコンシーケンシング(AmpSeq)、PCR-制限酵素断片長多型 (RFLP) アッセイ、T7エンドヌクレアーゼ1(T7E1)アッセイ、アンプリコン産物のサンガーシーケンシング(3つのアルゴリズムを用いてデコンボリューションおよび分析)、PCRキャピラリー電気泳動/アンプリコン分析による挿入欠失検出(PCR-capillary electrophoresis/InDel detection by amplicon analysis : PCR-CE/IDAA)、およびドロップレットデジタルPCR(ddPCR)を含む様々な手法を用いて、20個の一過性発現Cas9標的からゲノム編集効率を測定した。
その上で、AmpSeqをベンチマークとして、精度、感度、およびコストに基づいて手法を評価した。さらに、各手法の長所と短所、最適化中に直面した問題、そして研究チームが考案した解決策についても考察する。
本論文は、データ出力を標準化するための提案とガイドライン、そして様々な植物アプリケーションにおけるゲノム編集を定量化するための最適な手法に関するアドバイスを提供しており、この分野の経験豊富な研究者にとっても研究初心者にもとって有用であろう。
[出典] "Comprehensive benchmarking of genome editing quantification methods for plant applications" Gong Z [..] Crisp PA, Botella JR. iScience. 2025-04-29/06-20. https://doi.org/10.1016/j.isci.2025.112350 [著者所属] U Queensland
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