近年、カンジダ・グラブラータやカンジダ・トロピカリスなどの非アルビカンスカンジダ(non-albicans Candida: NAC)種による感染症の発生率が増加している。さらに、多剤耐性酵母であるカンジダ・アウリスは、世界的な健康に対する深刻な脅威となっている。
千葉大学の研究チームは先行研究で、C-4ステロールメチルオキシダーゼをコードするERG25 遺伝子が、カンジダ・グラブラータにおける有望な抗真菌標的遺伝子として同定していた。今回、RNPベースのCRISPR-Cas9システムを用いて、C. glabrataとC. aurisにおけるERG25 ホモログを欠失させ、Erg25がこれらの病原性酵母の宿主内での生存に不可欠であることを示す結果を得た。さらに、C. tropicalis とC. parapsilosis においてERG25アレルの欠失に成功し、これらの種においてCRISPR-Cas9システムとCre-loxPシステムを併用することの有効性を初めて実証した。
[出典] "CRISPR-Cas9 RNP-Mediated Deletion of ERG25 in Non-albicans Candida Species, Including Candida auris " Okamoto M [..] Chibana H. Med Mycol J. 2025-05-31. https://doi.org/10.3314/mmj.24-00023 [所属] 千葉大学真菌医学研究センター
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