crisp_bio

論文・記事紹介:CRISPR生物学・技術開発・応用 (ゲノム工学, エピゲノム工学, 代謝工学/遺伝子治療, 分子診断/進化, がん, 免疫, 老化, 育種 - 結果的に生物が関わる全分野); タンパク質工学;情報資源・生物資源;新型コロナウイルスの起源・ワクチン・後遺症;研究公正

 クローディン18アイソフォーム2(CLDN18.2)は、胃がんまたは胃食道接合部がんにおける有望な治療標的として浮上している。自己由来のCLDN18.2特異的キメラ抗原受容体(CAR)T細胞療法であるサトリカブタゲン・オートロイセル/Satricabtagene autoleucel(satri-cel/サトリセル、CT041)は、第I相臨床試験において、既治療の進行胃がんまたは胃食道接合部がん患者において有望な活性を示していた。

 今回、治験を進めている中国のバイオ企業CARsgen Therapeutics社と中国の大学や病院の研究チームが、初期の報告をThe Lancet誌から公開した。
 
 進行胃がんまたは胃食道接合部がんに対し、少なくとも2回の治療が奏効せず、腫瘍組織検体がCLDN18.2陽性であった18歳から75歳までの156人が参加した。サトリセルは、治療効果を高めるために非特異的免疫細胞を除去するレジメンと共に、試験期間中に88人に最大3回投与された。残りの52人は対照群となり、ニボルマブ、パクリタキセル、リボセラニブなどの標準治療を受けた。

 サトリセル投与群では35%が反応を示し、標準治療を受けた患者ではわずか4%であり、CAR-T細胞療法を受けた患者は、対照群に比べて平均生存期間が2.4か月長く、死亡リスクが31%低かった。研究チームは、安全性プロファイルは管理可能であり、進行胃がんまたは胃食道接合部がん患者に対する新たな第三選択治療としてサトリセルを支持する結果が得られたと、結論づけた。

[出典] 
このエントリーをはてなブックマークに追加

コメント

コメントフォーム
評価する
  • 1
  • 2
  • 3
  • 4
  • 5
  • リセット
  • 1
  • 2
  • 3
  • 4
  • 5
  • リセット