crisp_bio

論文・記事紹介:CRISPR生物学・技術開発・応用 (ゲノム工学, エピゲノム工学, 代謝工学/遺伝子治療, 分子診断/進化, がん, 免疫, 老化, 育種 - 結果的に生物が関わる全分野); タンパク質工学;情報資源・生物資源;新型コロナウイルスの起源・ワクチン・後遺症;研究公正

 リボヌクレアーゼH(RNase H)は、DNA複製、損傷応答、自己修復など、ゲノム安定性の維持に関与する人体に必須のリボヌクレアーゼである。中国の研究チームが今回、RNase H活性の超高感度検出を可能にするシステムを開発した。

 ここでは、crRNA / DNA(CD)キメラ二本鎖プローブが、RNase H消化の基質とCRISPR-Cas13aシステムのトランス切断活性のアクチベーターの両方となるように、巧みに、設計されている。RNase Hの存在下では、CDキメラ二本鎖のcrRNAが消化され、CRISPR-Cas13aシステムのトランス切断活性が防止される。一方で、RNase Hが存在しない状態では、完全なcrRNAがCRISPR-Cas13aシステムのトランス切断活性をトリガーし、RNA FQ (蛍光消光) プローブのトランス切断を引き起こすため、堅牢な蛍光シグナルが回復する。 

 LbuCas13aをベースとして、検出限界は0.00041U/mLに達した。さらに、細胞溶解液および複雑なヒト血清を用いたRNase H活性アッセイにおいて、優れた安定性と実用性を示した。

[出典] "Digested crRNA switchable CRISPR-Cas13a system for ultrasensitive detection of RNase H activity" Zhang X, Li F, Li X, Tian G, Xia Q. Sens Actuators B Chem. 2025-05-31. https://doi.org/10.1016/j.snb.2025.138074 [著者所属] Hainan Women and Children's Medical Center, Hainan Medical U, Wuhan U
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