CRISPRkoやCRISPRiを含むCRISPR技術は機能ゲノミクスにおいて、大規模な機能喪失(LOF)スクリーニングのツールとして広く利用されている。しかし、遺伝子編集過程におけるインフレームDNA修復や選択的スプライシングを介した活性タンパク質発現の残存、強力なエピジェネティック制御、また、転写開始部位(TSS)を標的とするsgRNA設計の難しさから、各遺伝子の機能推定にノイズをもたらされる課題がある。
この課題解決に向けて、シュトゥットガルト大学にTWIST Bioscienceが加わった研究チームは今回、広く使用されているCRISPRkoとCRISPRiのアプローチを単一のアプリケーションに統合することで、堅牢な標的遺伝子の枯渇を実現する CRISPRgenee(CRISPR gene and epigenome engineering)を開発した。
この課題解決に向けて、シュトゥットガルト大学にTWIST Bioscienceが加わった研究チームは今回、広く使用されているCRISPRkoとCRISPRiのアプローチを単一のアプリケーションに統合することで、堅牢な標的遺伝子の枯渇を実現する CRISPRgenee(CRISPR gene and epigenome engineering)を開発した。
- CRISPRgeneeは、ZIM3-Cas9と2つの短縮型sgRNA(15-ntと20-nt)を用いて、同一細胞内の標的遺伝子を抑制かつ切断することで、
LOFの効率と再現性を向上させる手法である [Figure 1の一部引用右図の A 参照] 。 - CRISPRgeneeは、従来のCRISPRko、CRISPRi、およびCRISPRoffシステムよりも優れた性能を発揮し、細胞増殖の阻害を困難にする標的や制御因子の抑制を実現する。
- ヒトiPSCモデルにおいて、上皮間葉転換(EMT)の調節因子の効果的抑制と神経分化の阻害を実現した。
CRISPRgeneeは、CRISPRiまたはCRISPRko単独によるスクリーニングと比べて、遺伝子枯渇効率の向上、sgRNAの活性の変動の低減、遺伝子枯渇の加速を示し、表現型効果の一貫性を確保し、より重要な遺伝子のヒットの特定を可能にした。
また、CRISPRgeneeはCRISPRkoとCRISPRiを組み合わせたことで、遺伝毒性ストレスを増加させることなくLOF率を向上させ、高度なLOFスクリーニングにおけるライブラリサイズの縮小を可能にした。
[出典] "CRISPR GENome and epigenome engineering improves loss-of-function genetic-screening approaches" Stadager J [..] Rathert P. Cell Rep Methods. 2025-06-10. https://doi.org/10.1016/j.crmeth.2025.101078 [著者所属] U Stuttgart, Robert Bosch Center for Tumor Diseases, TWIST Bioscience (USA).
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