[*] 著者らは"enhancement of CRISPR-Cas12a system through universal circular RNA design"をCIRCLEと命名
等温増幅とCRISPR-Cas12aシグナル増幅をワンポットで反応させるには、両者の干渉を回避するために、Cas12a活性を正確に制御する必要がある。中山大学の研究チームは今回、LbCas12aの動的な制御を可能にする光活性化環状RNAシステムを開発し、CIRCLEとして発表した。
CIRCLEは、スプリット環状ユニバーサルダイレクトリピート領域と交換可能なスペーサーのセットまたは環状のcrRNAを用いるが、いずれの環状RNAにも、光分解性(photocleavable: PC)リンカーが組み込まれている [グラフィカルアブストラクト参照]。この環状RNAの設計によって、ワンポット内での等温増幅の間は、LbCas12aの活性が効果的に抑制されつつ、紫外線(UV)を照射することで、PCリンカーが切断され、ネイティブ・トポロジーが復元され、CRISPR-Cas12aの切断機能が回復するというLbCas12aの動的制御が実現されている。
研究チームはさらに、デオキシウリジン(dU)などのDNA修飾を環状crRNAに導入した。これは、dUを含む環状crRNAもLbCas12aの活性を阻害し、ウラシルDNAグリコシラーゼ(UDG)などの対応する塩基除去修復(BER)酵素によってLbCas12aの活性を回復するというアプローチである。
CIRCLEには、いくつかの明確な利点がある。
- PCリンカーを含む環状DRは、単一の設計と合成のみを必要とする汎用プラットフォームでありながら、標的特異的検出のために任意のスペーサーと組み合わせることができるため、汎用性が高い。
- 環状RNA構造の固有の安定性は直鎖RNAの安定性を上回り、長期保存と臨床実装への適合性を大幅に高める。
- CRISPR ベースの検出の適用範囲を核酸以外にも広げる可能性が高い。
- 特定のBER 酵素レベルの調整を通じて LbCas12a のシス切断活性を制御することで、精密な遺伝子編集の可能性を高め、また、BER酵素の発現が亢進している細胞における選択的な遺伝子編集による治療可能性も期待される。
[出典] "Enhancement of CRISPR-Cas12a system through universal circular RNA design" Wang J, Zhang W [..] Liu C. Cell Rep Methods. 2025-06-16. https://doi.org/10.1016/j.crmeth.2025.101076 [著者所属] The Seventh Affiliated Hospital of Sun Yat-sen U, Sun Yat-sen U.
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