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科学分野の比較的新しい論文と記事を記録しておくサイト: 主に、CRISPR生物学・技術開発・応用 (ゲノム編集, エピゲノム編集, 遺伝子治療, 分子診断/代謝工学, 合成生物学/進化, がん, 免疫, 老化, 育種 - 結果的に生物が関わる全分野) の観点から選択し、時折、タンパク質工学、情報資源・生物資源、新型コロナウイルスの起源・ワクチン・後遺症、機械学習・AIや研究公正からも選択

 CRISPR-Cas9などの技術を用いた遺伝子ドーピングは、スポーツの公正性に重大な脅威をもたらす。2018年、世界アンチ・ドーピング機関(World Anti-Doping Agency: WADA)がゲノム編集を禁止し、高感度で特異的な検出方法の必要であることが、浮き彫りになった。現在利用可能な検出技術は特定の状況で有効性を示しているが、感度が低く、検出ウインドウが狭いという制限がある。これらの制限を克服するために、LSIメディエンスの研究チームは今回、RNA免疫沈降法(RNA immunoprecipitation: RIP)とそれに続く定量PCRで構成されるCRISPR-Cas9 RNP複合体の新しい検出法RIP-qPCRを提示した。

 この研究の主な焦点は、ミオスタチン(MSTN)、α-アクチニン3(ACTN3)、エリスロポエチン受容体(EPOR)、エリスロポエチン(EPO)などのドーピングに重要な遺伝子を標的とした検出法のin vitro開発であり、MSTNを用いてin vivoでの概念実証が実証された。

 RIP-qPCR法は、血漿中の定量限界が0.1 ng/mLという高感度な性能を示した。この方法では、in vitroにおいて、MSTN、ACTN3、EPOR、EPOを標的とするsgRNAと、RNP複合体中の2種類のCa​​s9タンパク質を検出することに成功した。さらに、血漿サンプルを4℃で保存した場合、RIP-qPCRの検出能力は最大30日間維持された。

 マウスのMstn遺伝子を標的として、筋肉内および静脈内注射によりRNPを投与するin vivo実験を実施した。CRISPR-Cas9 RNPは、筋肉内注射後最大24時間、静脈内注射後最大12時間検出可能であった。

 本研究は、RIP-qPCRがアンチ・ドーピング分析の強力なツールとなる可能性を強調するものであり、今後はスポーツ・ドーピングにおける遺伝子編集の検出を強化するために、標的遺伝子パネルの拡張に努めていく予定である。

[出典] "Direct detection of CRISPR–Cas9 ribonucleoprotein gene doping using RNA immunoprecipitation and quantitative PCR" Akiyama K, Momobayashi A, Okano M. Anal Bioanal Chem 2025-06-16. https://doi.org/10.1007/s00216-025-05959-0 [著者所属]  Anti-Doping Laboratory (LSIメディエンス);グラフィカルアブストラクト
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