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科学分野の比較的新しい論文と記事を記録しておくサイト: 主に、CRISPR生物学・技術開発・応用 (ゲノム編集, エピゲノム編集, 遺伝子治療, 分子診断/代謝工学, 合成生物学/進化, がん, 免疫, 老化, 育種 - 結果的に生物が関わる全分野) の観点から選択し、時折、タンパク質工学、情報資源・生物資源、新型コロナウイルスの起源・ワクチン・後遺症、機械学習・AIや研究公正からも選択

[注] LNP(脂質ナノ粒子);mtDNA(ミトコンドリアDNA)

 ミトコンドリアゲノムの変異は様々な疾患と関連しており、ミトコンドリアを標的とした遺伝子治療は、こうした疾患を効果的に治療できる可能性を秘めている。その可能性を実証することを目指して、北大にドイツとアラブ首長国連邦の大学が加わった研究チームは今回、ミトコンドリア標的化LNPであるMITO-Porter*を用いて、膜融合によりリボ核タンパク質(RNP)をミトコンドリアに直接送達する戦略を検討した [論文 Fig. 1参照]。
  • まず、マイクロ流体デバイスを用いてRNPをMITO-Porterに搭載したRNP-MITO-Porterを構築し、単離ミトコンドリアに適用したところ、mtDNAに配列特異的な二本鎖切断が誘導されることが確認された。
  • 次に、RNP-MITO-PorterをHeLa細胞に適用したところ、RNP-MITO-Porterの一部がミトコンドリアと共局在し、mtDNAに配列特異的な二本鎖切断が誘導された。
  • さらに、mtDNA(mt-Atp8)に点変異(m.7778G > T)を持つマウス由来細胞(LMSF-N-MTFVB細胞)のミトコンドリアに、RNP-MITO-Porterを送達することで、標的配列に二本鎖切断を誘導することに成功した。
 RNP-MITO-Porterは、ミトコンドリアを標的とする遺伝子治療の臨床応用に大きく貢献することが期待される。

[*] "MITO-Porter: A liposome-based carrier system for delivery of macromolecules into mitochondria via membrane fusion" Yamada Y [..] Harashima H. Biochim Biophys Acta 2007-11-12/2008 Feb. https://doi.org/10.1016/j.bbamem.2007.11.002 [著者所属] 北大, 徳島大, 第一三共

[出典] "Lipid nanoparticle delivery of the CRISPR/Cas9 system directly into the mitochondria of cells carrying m.7778G>T mutation in MtDNA (mt-Atp8)" Norota K [..] Yamada Y. Sci Rep. 2025-06-19. https://doi.org/10.1038/s41598-025-03671-8 [著者所属] 北大, FOREST program - JST, U Lübeck (ドイツ), Khalifa U (UAE)
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