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科学分野の比較的新しい論文と記事を記録しておくサイト: 主に、CRISPR生物学・技術開発・応用 (ゲノム編集, エピゲノム編集, 遺伝子治療, 分子診断/代謝工学, 合成生物学/進化, がん, 免疫, 老化, 育種 - 結果的に生物が関わる全分野) の観点から選択し、時折、タンパク質工学、情報資源・生物資源、新型コロナウイルスの起源・ワクチン・後遺症、機械学習・AIや研究公正からも選択

 ミツバチの働きバチの腸内細菌は、病原体からの防御から餌の中の複雑な多糖類の分解まで、あらゆることに関与していることが示唆されている。しかし、ミツバチのコロニー内には、酢酸細菌Bombella apis を含む様々な微生物群が生息する複数のニッチが存在する。B. apis は、コロニーの食料貯蔵庫、幼虫と共存する場所、働きバチの下咽頭腺、そして女王バチの消化管に生息している。これらの環境におけるB. apis の役割は、ようやく解明され始めたばかりであるが、成長中のミツバチを保護する強力な抗真菌物質の生成や、幼虫の栄養強化のためにリジンを補給するなど、様々な役割が考えられる。B. apis のニッチ特異性は、バクテリオファージやその他の可動性因子による圧力によって影響を受ける可能性があり、これらの因子は、それぞれのミツバチの生息環境において異なる菌株を標的とする可能性がある。B. apis とその可動性遺伝因子(MGE)の相互作用を研究することで、コロニー内の微生物群集の動態や、ミツバチの宿主への潜在的な影響をより深く理解できる可能性がある。

 インディアナ大学とイリノイ大学アーバナ・シャンペーン校の研究チームは以前 [*]、CRISPR-Casシステムは、B. apis がミツバチとの共生への移行中に獲得されたことを確認していたが、今回、B. apis 株間におけるCRISPR-Casタイプの多様性と分布を評価した。
  • 同一のB. apis ゲノム内、およびミツバチ女王バチの腸内メタゲノム内に、複数のCRISPR-Casタイプ(一部は複数の配列を持つ)を発見した。
  • 株間のスペーサーの配列を比較解析し、各B. apis 株における可動性エレメントの相互作用の履歴を特定した。
  • 最後に、異なるミツバチ・マイクロバイオーム・メンバー由来のウイルス配列とCRISPRシステム間の相互作用を予測した。
 解析の結果、B. apis のCRISPR-Casシステムはダイナミックであること、同じニッチ内の微生物はそれぞれ独自のスペーサーを有しており、これがCRISPR-Casシステムの機能をサポートしていること、および、ゲノムの複数の場所で新たなスペーサーが獲得されている可能性があり、微生物が柔軟なウイルスに対する武器を保有していること、が示された。

[*] "Genomic Signatures of Honey Bee Association in an Acetic Acid Symbiont" Smith EA, Newton ILG. Genome Biol Evol. 2020-10-01.
https://doi.org/10.1093/gbe/evaa183

[出典] "Evolutionary trends in Bombella apis CRISPR-Cas systems" Canote CL [..] Newton ILG. mSystems. 2025-06-18. https://doi.org/10.1128/msystems.00166-25 [著者所属] Indiana U, U Illinois Urbana-Champaign
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