[注] VUS(variants of uncertain significance)
患者を対象とする遺伝子スクリーニングからがんに関連する遺伝子変異が多数同定されてくるが、その多くはVUSのままになる。乳がんと卵巣がんの患者からはBRCA1/BRCA2のVUSが多数同定されている。
コペンハーゲン大学の研究チームは今回、内因性遺伝子座位に独自の制御機構を組み込んだ技術であるCRISPR-Select [*] を用いて、BRCA2のPALB2結合ドメインに位置する54の希少ClinVar VUSを評価した。特に、PARPi、シスプラチン、またはマイトマイシンCの有無における変異の有害性を検討した。
その結果、BRCA2の機能に重要なエクソン2ドナース・プライス領域(A22 = c.66A>C、A22 = c.66A>G、A22 = c.66A>T、およびD23H)およびTrp31アミノ酸(W31G、W31L、およびW31C)の変異において、顕著な機能不全が観察された。さらに、T10KおよびG25Rが、中間的な表現型を示し、これらの変異は本質的に低形質性であることが示唆された。
本研究の機能解析結果をClinGen BRCA1/2バリアント・キュレーション専門家パネルの最新の推奨事項と組み合わせることで、54のVUSのうち49を良性(n = 45)または病原性(n = 4)に分類した。
本研究は、CRISPR-Selectは、遺伝子変異の臨床的意義を判定するに有用なツールであることを実証することにもなった。
[*] CRISPR-Select関連crisp_bio記事
- 2022-12-18 [論文解説] 多用途なヒト疾患遺伝子変異機能アッセイ法.
- 2022-12-11 遺伝子変異の機能のマルチパラメトリックで高精度な解析を実現するCRISPR-Select法を開発.
[出典] "Precision screening facilitates clinical classification of BRCA2-PALB2 binding variants with benign and pathogenic functional effects" Bose M [..] Rossing M. J Clin Invest. 2025-06-16. https://doi.org/10.1172/JCI181879 [著者所属] Copenhagen U Hospital, U Copenhagen
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