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科学分野の比較的新しい論文と記事を記録しておくサイト: 主に、CRISPR生物学・技術開発・応用 (ゲノム編集, エピゲノム編集, 遺伝子治療, 分子診断/代謝工学, 合成生物学/進化, がん, 免疫, 老化, 育種 - 結果的に生物が関わる全分野) の観点から選択し、時折、タンパク質工学、情報資源・生物資源、新型コロナウイルスの起源・ワクチン・後遺症、機械学習・AIや研究公正からも選択

 特定の発生段階における細胞、組織、または臓器特異的な遺伝子操作を目的とした、誘導性CRISPRa/iシステムがいくつか開発されている。これらのシステムは、オリジナルのCRISPRa/iシステムに比べて、毒性が低いため生存期間が長く、精密な転写操作により疾患病態を忠実かつ正確にモデル化できるなどの利点がある。これまで、薬剤、光、低分子、あるいは熱ショックを介して時間的そしてまたは空間的誘導が実現されてきたが、哺乳類細胞において、簡便かつ迅速でかつ可逆的な制御を介して望むような表現型を得るには至らなかった。

 先行研究では、Cas9エンドヌクレアーゼとエストロゲン受容体リガンド結合ドメイン(ERT2)の変異体からなる融合タンパク質が開発され、ヒト細胞においてゲノム編集活性のオン/オフを制御した例がある [Liu KI et al., Nat Chem Biol 2016]。ERT2ドメインはHSP90と相互作用することで融合タンパク質を細胞質内に隔離し、核への移行を阻害する。一方で、タモキシフェンまたはその代謝物である4-ヒドロキシタモキシフェン(4OHT)または4-ヒドロキシ-N-デスメチルタモキシフェン(エンドキシフェン)によって誘導されると、融合タンパク質は複合体から解離し、核へと移行する。

 Novel drug-inducible CRISPRa:i systems今回、中国の研究チームがERT2とCRISPRa/iとの融合形式の最適化を試み [Fig. 1引用右図参照]、CRISPRa/iのN末端に2つのERT2ドメイン、C末端に1つのERT2ドメインをそれぞれ融合させた新たな誘導性CRISPRa/iシステムを確立し、iCRISPRa/iとして発表した:
  • iCRISPRa/iシステムは、複数の細胞株において4OHT誘導による外因性および内因性の転写制御を効果的に達成する。
  • iCRISPRa/iシステムは内因性のオンターゲット部位に特異的な制御を実現する。
  • 4OHT誘導による転写制御は用量依存的で、タンデムsgRNAアレイを介した多重化が可能である。
  • iCRISPRa/iシステムの薬剤応答は迅速かつ可逆的である。
  • iCRISPRa/iによる遺伝子発現制御の効率は、オリジナルの非誘導性システムおよびドキシサイクリン誘導性システム(TRE-CRISPRa/i)と同等の同等である。
  • 薬剤誘導性CRISPRa/iシステムであるTRE-CRISPRa/iシステムと比較して、iCRISPRa/iは薬剤漏出量が少なく、より速い薬剤応答活性を示す。
  • iCRISPRa/iは複数の哺乳類細胞における表現型改変に利用可能であり、機能獲得・喪失モデルの構築や精密な遺伝子治療などと、応用分野が広い。
[出典] "Novel drug-inducible CRISPRa/i systems for rapid and reversible manipulation of gene transcription" Sui M [..] Wan F, Zhang B. Cell Mol Life Sci. 2025-06-23. https://doi.org/10.1007/s00018-025-05786-7 [著者所属] Huazhong U Science and Technology, Jianghan U, The 980th Hospital of PLA Joint Logistical Support Force (Bethune International Peace Hospital), Southern Medical U, Zhongnan Hospital of Wuhan U, Hebei U Engineering
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