crisp_bio

科学分野の比較的新しい論文と記事を記録しておくサイト: 主に、CRISPR生物学・技術開発・応用 (ゲノム編集, エピゲノム編集, 遺伝子治療, 分子診断/代謝工学, 合成生物学/進化, がん, 免疫, 老化, 育種 - 結果的に生物が関わる全分野) の観点から選択し、時折、タンパク質工学、情報資源・生物資源、新型コロナウイルスの起源・ワクチン・後遺症、機械学習・AIや研究公正からも選択

cabbage 中国農業科学院蔬菜花卉研究所の研究チームは今回、HI-Edit [*] システムを利用して、望ましいアントシアニン含有量のキャベツを作出した [グラフィカルアブストラクト引用右図参照]

 このHI-Editシステムは、従来の育種とHI(haploid induction)およびCRISPR/Cas9ゲノム編集技術を組み合わせた、双子葉作物における初めての応用例である。さらに、他のHIシステム、特にBrassica oleraceaのDMP ベースのHIシステム [Zhao et al., 2022] とは異なり、このシステムは、生体内で雄親と雌親の両方として半数体を誘導できる。さらに、ブロッコリーで報告されているCENH3ベースのHIシステム [Han et al., 2024] に対しては、CENH3 を編集する2つの方法を追加したことで、半数体誘導率(Haploid Induction Rate: HIR)が1.29%から1.79%にわずかに増加した。

 将来は、塩基編集(BE)やプライム編集(PE)などの新しい編集技術と組み合わせることで、広域スペクトルの病害抵抗性遺伝子やストレス耐性遺伝子などの他の特定の標的遺伝子を選択することが可能になる。さらに、他の優良近交系を用いて、標的遺伝子をより高いHI-Edit率で編集した半数体誘導能力を試験することも可能である。

[*]  CRISPRメモ_2019/03/06 [第6項] HI-Edit:半数体誘導系統を利用してエリート種作物のゲノム編集変異体を1回の交雑で樹立する

[出典]
"Rapid design of transgene-free cabbage with desired anthocyanin contents via HI-Edit" Li H [..] Zhang Y, Lv H. J Integr Plant Biol. 2025-06-05
https://doi.org/10.1111/jipb.13943 [著者所属]  Institute of Vegetables and Flower CAAS, Nanjing Agricultural U;グラフィカルアブストラクト
このエントリーをはてなブックマークに追加

コメント

コメントフォーム
評価する
  • 1
  • 2
  • 3
  • 4
  • 5
  • リセット
  • 1
  • 2
  • 3
  • 4
  • 5
  • リセット