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科学分野の比較的新しい論文と記事を記録しておくサイト: 主に、CRISPR生物学・技術開発・応用 (ゲノム編集, エピゲノム編集, 遺伝子治療, 分子診断/代謝工学, 合成生物学/進化, がん, 免疫, 老化, 育種 - 結果的に生物が関わる全分野) の観点から選択し、時折、タンパク質工学、情報資源・生物資源、新型コロナウイルスの起源・ワクチン・後遺症、機械学習・AIや研究公正からも選択

[注] ラクチカゼイバチルス・パラカセイLacticaseibacillus paracasei

 CRISPR-Cas9システムは細菌のゲノム編集にも広く使用されているが、その異種発現は細胞毒性と関連付けられている。Streptococcus pyogenes 由来のCas9ヌクレアーゼ(SpyCas9)はそうした細胞毒性の一般的な供給源の1つであり、一部の細菌ではヌクレアーゼ単独またはsgRNAとの組み合わせについて細胞毒性が報告されている。しかし、CRISPR-Cas9システムの他のコンポーネントの潜在的な細胞毒性効果は不明であった。

 ドイツHIRIにノースカロライナ州立大学が加わった研究チームが今回、SpyCas9が存在しない場合でも、S. pyogenes CRISPR-Cas遺伝子座由来のtracトランス活性化crRNA(tracrRNA)の短いアイソフォーム(tracr-S)の発現がLacticaseibacillus paracasei で細胞毒性を示すことを見出した。

 L. paracasei で推定上の転写調節因子を削除すると、tracr-Sの細胞毒性が軽減され、tracrRNAの長いアイソフォーム(tracr-L)の発現がもたらされる。さらに、細胞毒性はtracr-S配列に特異的であり、宿主RNAとの直接的な相互作用に関連していた。

 こうして、Cas9以外のCRISPR構成要素が細菌における異種CRISPR-Casシステムの使用を阻害する可能性があることが示され、これがCRISPR免疫系の進化に影響を与えている可能性がある。

[出典] "Cas9-independent tracrRNA cytotoxicity in Lacticaseibacillus paracasei " Arifah AQ [..] Beisel CL. microLife. 2025-07-03. https://doi.org/10.1093/femsml/uqaf013 [著者所属] Helmholtz Institute for RNA-based Infection Research (ドイツ), North Carolina State U (米国)
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