[注] 分子糊分解剤(Molecular Glue Degrader: MGD)- 特定のタンパク質をE3ユビキチンリガーゼに結合させることで、分解へと誘導する低分子化合物
CRISPR/Cas9システムは強力なゲノム編集機能を発揮するが、その活性が長期間持続すると、オフターゲット編集、遺伝毒性、免疫原性、望ましくないオンターゲット修飾といった意図しない結果が生じるため、実験室での実験には課題が伴い、治療への応用においては安全性への懸念が生じる。この課題解決に向けてウィスコンシン大学マディソン校の研究チームは今回、
FDA承認薬ポマリドミド(POM)存在下でCas9を分解するように設計された、Cas9-degron(Cas9-d)と呼ばれる新規分子糊分解システムを開発した [グラフィカルアブストラクト引用右図参照]。
FDA承認薬ポマリドミド(POM)存在下でCas9を分解するように設計された、Cas9-degron(Cas9-d)と呼ばれる新規分子糊分解システムを開発した [グラフィカルアブストラクト引用右図参照]。 Cas9-dは生体適合性が高く、誘導後4時間以内にCas9タンパク質レベルを急速に低下させ、オンターゲット部位における編集レベルを3~5分の1に減少させた。この減少は可逆的であり、POMの除去後24時間以内にCas9レベルが回復する。 また、Cas9-dシステムは、分解を開始していない間は、肝細胞株やヒト人工多能性幹細胞(hiPSC)由来GABA作動性ニューロンなど、様々なヒト細胞種において、オンターゲット編集の効率と精度を維持し続ける。さらに、Cas9-dシステムで編集された細胞は健全かつ機能的であり、その毒性は最小限でしあった。
Cas9-dシステムは、Cas9レベルを調整するための汎用的なアプローチを提供し、in vitroおよびex vivoにおけるゲノム編集結果を制御するための実験ツールとしての可能性を示している。さらなる開発を続けることで、in vivoにおける体細胞ゲノム編集を向上させることが期待される。
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- 2023-03-24 モレキュラー・グルー(分子糊)を利用してCRISPRツールの半減期を制御する
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