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科学分野の比較的新しい論文と記事を記録しておくサイト: 主に、CRISPR生物学・技術開発・応用 (ゲノム編集, エピゲノム編集, 遺伝子治療, 分子診断/代謝工学, 合成生物学/進化, がん, 免疫, 老化, 育種 - 結果的に生物が関わる全分野) の観点から選択し、時折、タンパク質工学、情報資源・生物資源、新型コロナウイルスの起源・ワクチン・後遺症、機械学習・AIや研究公正からも選択

[注] 分子糊分解剤(Molecular Glue Degrader: MGD)- 特定のタンパク質をE3ユビキチンリガーゼに結合させることで、分解へと誘導する低分子化合物

 CRISPR/Cas9システムは強力なゲノム編集機能を発揮するが、その活性が長期間持続すると、オフターゲット編集、遺伝毒性、免疫原性、望ましくないオンターゲット修飾といった意図しない結果が生じるため、実験室での実験には課題が伴い、治療への応用においては安全性への懸念が生じる。この課題解決に向けてウィスコンシン大学マディソン校の研究チームは今回、Cas9-degron systemFDA承認薬ポマリドミド(POM)存在下でCas9を分解するように設計された、Cas9-degron(Cas9-d)と呼ばれる新規分子糊分解システムを開発した [グラフィカルアブストラクト引用右図参照]

 Cas9-dは生体適合性が高く、誘導後4時間以内にCas9タンパク質レベルを急速に低下させ、オンターゲット部位における編集レベルを3~5分の1に減少させた。この減少は可逆的であり、POMの除去後24時間以内にCas9レベルが回復する。 また、Cas9-dシステムは、分解を開始していない間は、肝細胞株やヒト人工多能性幹細胞(hiPSC)由来GABA作動性ニューロンなど、様々なヒト細胞種において、オンターゲット編集の効率と精度を維持し続ける。さらに、Cas9-dシステムで編集された細胞は健全かつ機能的であり、その毒性は最小限でしあった。

 Cas9-dシステムは、Cas9レベルを調整するための汎用的なアプローチを提供し、in vitroおよびex vivoにおけるゲノム編集結果を制御するための実験ツールとしての可能性を示している。さらなる開発を続けることで、in vivoにおける体細胞ゲノム編集を向上させることが期待される。

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[出典] "Controlling CRISPR-Cas9 genome editing in human cells using a molecular glue degrader" Khajanchi N [..] Saha K. Mol Ther Nucleic Acids. 2025-07-21. https://doi.org/10.1016/j.omtn.2025.102640 [著者所属] University of Wisconsin-Madison
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