GATA2欠損症は、GATA2 遺伝子の単一アレル変異によって引き起こされる稀な先天性免疫異常であり、造血幹細胞前駆細胞(HSPC)の機能不全を引き起こす。デンマークのオーフス大学にチューリッヒ工科大学が加わった研究チームは今回、組換えアデノ随伴ウイルス血清型6(rAAV6)を相同組換え修復(HDR)の鋳型として用い、CRISPR/Cas9を用いた遺伝子修正に基づくGATA2欠損症の潜在的治療戦略を検証した。
GATA2欠損症を引き起こす7bpの欠失について、疾患アレルにおけるアレル特異的な切断を促進するsgRNAを同定し、Cas9/sgRNAリボ核タンパク質のヌクレオフェクションとrAAV6の導入を試みた。当初、HSPCにおいて高い細胞毒性が観察されたが、DNA損傷応答のmRNAベースのモジュレーターを併用し、rAAV6の投与量を10分の1に減らすことで、この毒性は軽減された。このプロトコルを用いることで、7bp欠失を有する患者由来のHSPCにおいて効率的なHDR(80%超)を達成し、GATA2の修正後には生着率が向上した。
DISCOVER-seq [crisp_bio 2023-04-11参照] を用いた解析では、オフターゲット活性は限定的であった。しかし、PCRフリーのロングリードシーケンスでは、HSPCのオンターゲット部位において頻繁に大きな異常が検出された。これは主に、標的アレルの15%で確認されたAAVコンカテマーの組み込みに起因するものであった。
今回、CRISPR/Cas9 HDRを介した遺伝子修正がGATA2欠損に及ぼす影響を検証する中で、遺伝子修正後にオンターゲットで目的外の異常が発生することが、明らかになった。
[出典] "Treatment of GATA2 deficiency by allele-specific CRISPR/Cas9-directed gene correction in hematopoietic stem cells" Skov TW [..] Mikkelsen JG. Mol Ther. 2025-07-29. https://doi.org/10.1016/j.ymthe.2025.07.038 [著者所属] Aarhus University (デンマーク), Aarhus University Hospital, ETH Zurich (スイス);グラフィカルアブストラクト参照
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