Acremonium chrysogenumは抗菌薬セファロスポリンC(CPC)の重要な産業生産菌であり、そのさらなる有効利用と代謝工学には効率的なゲノム編集ツールが不可欠である。A. chrysogenum用のCRISPR/Cas9システムは現在、Aspergillus nidulans PgpdAやAspergillus fumigatus AfU6pなどの異種プロモーターを用いてsgRNAを発現させている。これらのシステムでは、リボザイムやtRNAなどの追加のsgRNAプロセッシング・エレメントが必要になることが多く、クローニングの複雑さと実験作業負荷が課題になっている。
天津を拠点とする中国の研究チームは今回、sgRNAの転写にA. chrysogenum内在の5S rRNAプロモーターを用いることで、簡素化され高効率なCRISPR/Cas9ゲノム編集システムを実現した。このシステムはプロセッシング・エレメントを必要とせず、sorB 遺伝子を標的とすることで最大100%の遺伝子破壊効率を達成した。
また、このプラットフォームは、ソルビシリノイド生合成遺伝子クラスター内において、ドナーDNAを用いることなく、100%の単一遺伝子削除と、これまでで最大の66.17 kbの効率的な大規模染色体削除を実現した。
さらに、このシステムは、kusA 遺伝子座における相同組換えを介したマーカー置換を通じて、正確かつ反復的な遺伝子編集を可能にした。
こうして、5S rRNA-CRISPR/Cas9が、A. chrysogenumの機能ゲノミクスと株改良のための、汎用性が高く、強力かつ効率的なゲノム編集ツールキットであることが、実証された。
[出典] “A Highly Efficient 5S rRNA-CRISPR/Cas9 Genome Editing Toolkit in Acremonium chrysogenum” Zheng X, Zhai Y, Chathurika HAW et al. J Agric Food Chem.2025-09-01. https://doi.org/10.1021/acs.jafc.5c06429 [所属] Tianjin University of Science & Technology, Tianjin Institute of Industrial Biotechnology CAS, State Key Laboratory of Engineering Biology for Low-Carbon Manufacturing, National Center of Technology Innovation for Synthetic Biology, University of Chinese Academy of Sciences
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