油性酵母Rhodotorula toruloidesは、脂肪酸誘導体を含む様々な付加価値化学物質を生産する有望な細胞工場である。北京化工大学の研究チームは今回、R. toruloides に初めて正確かつ特異的な遺伝子編集ツールであるCRISPR/Casベースのシチジン塩基編集システム(CBE*)を適用した [*Target-AIDに相当するnCas9にCDA1を融合した塩基エディター]。
このCBEを利用することで、CからTへの変異を介して未成熟終止コドンを誘導することで、標的遺伝子をノックアウトでき、その効率は最大90%に達した。また、4つの遺伝子を5%の効率で並行してノックアウトすることに成功した。これは、この酵母におけるマルチプレックス編集における画期的な進歩である。
また、反復的なエンジニアリングを可能にするため、このCBEに誘導性Cre-loxPシステムを統合し、70%を超える選択マーカーリサイクル効率を達成した。この統合システムにより、ウラシル要求性株の構築が実現した。
さらに、CBEシステムを用いて脂質代謝に関与する4つの遺伝子を阻害することで、512.3 mg/Lの遊離脂肪酸を生産できる改変株が樹立された。
CBEにより、R. toruloidesの代謝工学的ポテンシャルを最大限に活用する道が開かれた。
[出典] “Enhancement of Free Fatty Acids Production in Rhodotorula toruloides Using the CRISPR/Cas9-Based Base Editor” Yu Y, Yuan Q, Liu Z, Tong B, Shi S. ACS Synth Biol. 2025-09-01. https://doi.org/10.1021/acssynbio.5c00359 [所属] Beijing Advanced Innovation Center for Soft Matter Science and Engineering (Beijing University of Chemical Technology)
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