[注] このブログ投稿は、小児内分泌学を専門とする医師・研究者であり、COVID-19パンデミックの発生時期と重なる2019年6月から2021年9月まで、フロリダ州公衆衛生局長官および保健長官を務めたScott Andrew Rivkees教授(ブラウン大学公衆衛生大学院)が2023年12月に投稿し、Frontiers in Public Health誌から2024年2月に刊行されたレポートに準拠している。
フロリダ州で最初のCOVID-19症例が診断されたのは2020年3月1日である。3年後、フロリダ州では730万人以上がCOVID-19に感染し、9万3千人以上がこの病気で亡くなっている。COVID-19がフロリダ州に与えた影響を考える場合、高齢者や基礎疾患のある人の割合が高いため、フロリダ州は医療上最も脆弱な州の1つであったことなど、いくつかの重要な要素を考慮する必要がある。
フロリダ州には、対応活動を容易にする中央集権的な保健省と緊急事態管理局の構造もある。COVID-19がフロリダ州に与えた影響を検討する場合、2つの異なるフェーズを考慮する必要がある。
2020年3月から2021年7月までのデルタ変異以前の第1フェーズと、2021年7月に始まり現在 (2024年)も続いているデルタ変異以降の第2フェーズである。
16か月間の第1フェーズでは、約3万8千人が死亡した。しかし、2021年7月から11月までの5か月間のデルタ変異株の波の間に、2万4千人が死亡した。デルタに続くオミクロンの波の間には、さらに3万1千人が死亡した。
したがって、フロリダ州は、第1フェーズ終了時に米国内の人口1人あたりの死亡率が26位であったが、デルタ波から数か月後には10位になり、現在 (2023年末)は8位である。なぜこれらのフェーズでは死亡率がこれほど劇的に異なったのだろうか。
パンデミックの第1フェーズ、非薬理学的および高齢者保護対策の遵守が推奨される中で、ワクチンが初めて利用可能になってから最初の6か月間は、特に高齢者層においてCOVID-19ワクチン接種への熱意が高まり、州の死亡率が低いことに貢献した。
しかし第2フェーズでは、COVID-19に関する誤情報、反ワクチン感情の高まり、そして知事によるCDCおよび公衆衛生専門家のガイドラインに対する政治的反対ひいてはCOVID-19ワクチンへの政治的支援の弱まりにより、ワクチン接種率が低下し、住民の脆弱性が高まった。そのため、2021年夏に深刻なデルタ変異株の波がフロリダ州を襲ったとき、若年層とワクチン未接種者における重症COVID-19症例が急増した。この傾向が続き、フロリダ州の死亡率は、最近のオミクロン変異株の波において全米で最も高い水準となっている。
COVID-19への対応と州への影響を検証することで、フロリダ州だけでなく国全体にとって学ぶべき教訓がある。パンデミックへの対応を評価するためにデサンティス知事が委託した党派的な公衆衛生誠実委員会よりも、科学的専門知識を持つ超党派の委員会の方が、フロリダ州にとってはるかに良い結果をもたらしていただろう。昨年 (2022年)、共和党のインディアナ州知事が実施したのがまさにそのモデルである。知事は、COVID-19とその公衆衛生対応を含む州内の健康問題を評価するため、著名な公衆衛生専門家からなる超党派委員会を招集した。フロリダ州の医学部と公衆衛生学部は、それぞれが可能な限り独立した厳密な分析を共同で行うか、少なくともそのような分析を推進し始めるべきである。
フロリダ州におけるパンデミックの初期段階のCOVID-19に対する緩和策とワクチン接種戦略には明確なメリットがあった。一方で、それ以降、フロリダ州が重篤なCOVID-19の影響をどのように受けてきたかを見れば、中核的な緩和策を放棄し、予防ワクチンの推進を中止したことがどのような結果をもたらしたか、一目瞭然である。
[注]
資金提供:著者は、本研究、論文執筆、および/または出版に関して、いかなる財政的支援も受けていないことを宣言している。
利益相反:著者は、本研究が潜在的な利益相反と解釈される可能性のある商業的または金銭的関係を一切持たずに実施されたことを宣言している。
[出典] “The shifting impact and response to COVID-19 in Florida” Rivkees SA. Front Public Health. 2024-02-19. https://doi.org/10.3389/fpubh.2024.1351690 [所属] Brown University School of Public Health
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