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 リソソームは、環境中の栄養素の利用可能性を感知する上で極めて重要な役割を果たす。飢餓期間中、リソソーム内のLIPL-4リパーゼの転写が亢進し、AMPKのリソソームへのリクルートが促進され、リソソーム内のmTORの活性化が抑制される。これら、LIPL-4、AMPK、mTORシグナル伝達経路、そして飢餓は、いずれも寿命制御に関連していることが知られている。また、飢餓は様々な生物において世代を超えたエピジェネティックな遺伝を誘導することが報告されている。
 しかし、これらのリソソームシグナル伝達経路がエピジェネティックな記憶を形成し、世代を超えた長寿に寄与するかどうか、またどのように寄与するのかは依然として不明である。ベイラー医科大学の研究チームは今回、モデル生物の線虫(Caenorhabditis elegans)において、リソソーム関連シグナル伝達経路に応答して活性化され、世代を超えた長寿を促進する体細胞から生殖細胞へのエピジェネティック軸を発見した。
 C. elegans におけるLIPL-4の過剰発現は、ヒストンH3のリジン70(H3K79)のメチル化を引き起こし、ヒストンバリアントHIS-71をコードする遺伝子の転写を増加させる。HIS-71は卵黄粒子との会合を介して腸から卵母細胞へと輸送される。卵母細胞に到着するとメチル化され、生殖細胞系DNAと会合する。これらの事象が、野生型の子孫において数世代にわたって寿命の延長を促進する。
[出典] 
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