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科学分野の比較的新しい論文と記事を記録しておくサイト: 主に、CRISPR生物学・技術開発・応用 (ゲノム編集, エピゲノム編集, 遺伝子治療, 分子診断/代謝工学, 合成生物学/進化, がん, 免疫, 老化, 育種 - 結果的に生物が関わる全分野) の観点から選択し、時折、タンパク質工学、情報資源・生物資源、新型コロナウイルスの起源・ワクチン・後遺症、機械学習・AIや研究公正からも選択

 血友病Bは、凝固第IX因子(FIX)の遺伝子バリアントによりFIXの活性が不十分か欠乏している遺伝性疾患である。一般に、病原性遺伝子バリアントを修復することが、遺伝性疾患治療の究極の目標である。しかし、遺伝子に発生する可能性のあるバリアントが多数の場合は、個々のバリアントそれぞれに対して特異的な遺伝子治療薬を開発することは、スケーラブルなアプローチではない。
 自治医科大学をはじめとする日本の研究チームは今回、血液凝固第IX因子(FIX)に機能獲得型バリアントを導入するアプローチを試みた。
  • シトシン塩基編集(CBE)を利用してF9のc.1151をG:CからA:Tへと変換することで、凝固因子の活性を著しく増強することが知られている上海F9バリアント"R338Q"を導入した。
  • CBEを組み込んだアデノ随伴ウイルスベクターは、患者由来F9バリアントを組み込んだHEK293細胞、およびヒトF9 cDNAを組み込んだノックインマウスにおいて、標的遺伝子のG:Cの60%以上をA:Tに変換し、FIX活性を上昇させた。
  • さらに、CBE mRNAおよびgRNAを組み込んだ脂質ナノ粒子をマウスに投与したところ、FIX活性が上昇した。
 これらのデータは、FIXにR338Qを生成するCBEが、残存FIX活性を有する血友病Bに対して広く適用可能なゲノム編集手法であることを示唆している。

[関連crisp_bio記事] 2024-05-16 BE/PEにより一般的な血友病A変異が修正され、in vitroおよびex-vivoモデルで血液凝固第VIII因子の発現が回復する


[出典] "Therapeutic base editing to generate a gain-of-function F9 variant for hemophilia B" Baatartsogt N, Kashiwakura [..] Ohmori T. Blood 2025-10-23. https://doi.org/10.1182/blood.2024027870 [所属] 自治医科大学, 北海道大学, 徳島大学, 京都府立医科大学, 大阪大学, 東京大学
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