crisp_bio

科学分野の比較的新しい論文と記事を記録しておくサイト: 主に、CRISPR生物学・技術開発・応用 (ゲノム編集, エピゲノム編集, 遺伝子治療, 分子診断/代謝工学, 合成生物学/進化, がん, 免疫, 老化, 育種 - 結果的に生物が関わる全分野) の観点から選択し、時折、タンパク質工学、情報資源・生物資源、新型コロナウイルスの起源・ワクチン・後遺症、機械学習・AIや研究公正からも選択

 一つは「Biotech Barbie」を自称する [YouTube] する起業家Cathy Tieが、絶滅種復活を喧伝しているClossal Biosciences社の生物科学部門のヘッドであったEriona Hysolliと設立したManhattan Genomicsである。もう一つは、OpenAIのSam AltmanとCoinbaseのBrian Armstrongの支援のもとで、Jennifer Doudna研究室出身でMammoth Biosciencesの共同設立者であったLucas Harringtonが設立したPreventive [Business Standard 2025-11-09] である。
 こうした動きに対して、一部の研究者は、ヒト胚を対象とした遺伝子編集技術の商業化を検討するには時期尚早だと主張している。この技術は、現在小児および成人の血液疾患治療に承認されている遺伝子編集療法 [*]と比較して、重大な安全性に関するリスクと倫理的なジレンマを伴っていると認識しているからである。
 ヒト胚ゲノム編集は2018年に国際的な一大関心事になった。Jiankui He博士 (当時 南方科技大学副教授) が、2018年に1細胞期受精卵にHIV-1感染に関与するCCR5を標的とするCRISPR/Cas9遺伝子編集を加えた双子が誕生したことが報道されたからである [CRISPR babies]。
[注] Cathy Tieは、Jiankui Heと一時、個人的に親密な関係にあったことを認めつつ、Jiankui HeはManhattan Genomicsには関与していないとしている。
 Lucas Harringtonの師匠にあたるJennifer Doudnaは、"CRISPR babies"以来長年、遺伝性ゲノム編集に懸念を表明してきており、現時点でも、その懸念は依然として残っていると述べている。しかし、Lucas HarringtonがPriventive社における科学的基準と透明性が必要であることを強調したことを受容し「このアプローチが安全であることが証明されれば、遺伝性疾患を慢性管理から予防へと転換させる可能性があり、遺伝性疾患への医学的対応に根本的な変化をもたらすでしょう。」とコメントした。
[出典] NEWS "‘Biotech Barbie’ says the time has come to consider CRISPR babies. Do scientists agree?" Ledford H. Nature 2025-11-03/11-06 https://doi.org/10.1038/d41586-025-03554-y
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