細胞内でのサイレンシングはトランスジーン(外来遺伝子)の発現において依然として大きな課題であり、その浸透度と発現能の双方に限界をもたらしている。特に、Cas9発現のサイレンシングは、多くの遺伝子編集およびCRISPRスクリーニング・アプリケーションの主たる制約要因になっている。
スタンフォード大学のMichael C. Bassik准教授が率いる米・英の研究チームは今回、Cas9発現カセットにイントロンを組み込むことで、複数の細胞株においてサイレンシングが著しく低減することを実証した。特に、CRISPRaコンストラクトにイントロンを組み込むと、サイレンシングの低減、発現レベルの上昇、そして標的遺伝子の活性化の顕著な増強がもたらされることが、明らかになった [論文Fig. 1 参照]。
多様なイントロン配列を解析した結果、2kbを超えるT-richイントロンがサイレンシングに対する最も強い保護効果を発揮することが発見された。さらに、イントロンはクロマチンオープニング・エレメントと相乗的に作用してサイレンシングをさらに緩和できることも発見された。
これらの知見は、外来遺伝子をサイレンシングするためにDNAレベルとRNAレベルの両方で制御機構が作用していることを示唆している。また、大きな外来遺伝子の構成的発現を必要とする発現の強化と細胞工学の改善のために遺伝子構造を最適化するイントロンの潜在能力を強調している。
[出典] "Reduced Cas9 transgene silencing by incorporation of intron sequences" Arana S, Du PP [..] Bassik MC. Nat Commun. 2025-11-27. https://doi.org/10.1038/s41467-025-65669-0 [所属] Stanford University (米国), Chan Zuckerberg Biohub, Lucile Packard Children’s Hospital, University of Cambridge (英国)
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