近年の一連の報告では、SARS-COV-2に感染した人の50%以上、一部の報告では70%以上が臓器障害を患っている。具体的には、感染者の肺に永続的な損傷を残し、肺機能の低下を引き起こす可能性がある。また、長期的な心血管障害との関連が指摘され、運動障害、さらには心臓発作や脳卒中のリスクを高める例もある。 COVID-19は、脳組織の喪失、毛細血管の損傷、脳細胞の融合など、脳損傷を引き起こす可能性もある。一部の患者、おそらく多くの患者の免疫系にも損傷が見られる [レビューFig. 1参照]。こうしたSARS-Cov-2がヒトの全身に及ぼす損傷は、突然の重篤な症状、生活の質の低下、寿命の短縮など、さまざまな結果につながる可能性がある。
留意すべきは、無症状ゆえにCOVID-19と診断されていなかったSARS-CoVー2感染者にも、SARS-CoV-2感染に伴う臓器損傷が残り、心臓発作や脳卒中などに襲われるまで無症状のままであるリスクを抱えていることである。
[出典] "Review of organ damage from COVID and Long COVID: a disease with a spectrum of pathology". Ewing A, Salamon S, Pretorius E, Joffe D, Fox G, Bilodeau S, Bar-Yam Y. Med Rev. 2024-07-02/2025-02-25 https://doi.org/10.1515/mr-2024-0030 [注] Medical Reviewは、北京大学の健康科学センターに"affiliate"されている査読付きオープンアクセスジャーナルで、インパクトファクターが付されている。出版社はドイツのDe Gruyter ( 2024年にオランダの出版社Brill Publishersと合併しDe Gruyter Brillに) [所属] University of Gothenburg (スエーデン) , University of Liverpool (英国), Stellenbosch University (南ア) , World Health Network, University of Sydney (オーストラリア), McGill University (カナダ), New England Complex Systems Institute (米国); World Health Network [注] WHN (World Health Network) は、COVID19パンデミックを中、2021年に専門家と一般市民によって設立された国際的ネットワークであり、今回のレビューの共著者のほとんどが参画している。
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