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科学分野の比較的新しい論文と記事を記録しておくサイト: 主に、CRISPR生物学・技術開発・応用 (ゲノム編集, エピゲノム編集, 遺伝子治療, 分子診断/代謝工学, 合成生物学/進化, がん, 免疫, 老化, 育種 - 結果的に生物が関わる全分野) の観点から選択し、時折、タンパク質工学、情報資源・生物資源、新型コロナウイルスの起源・ワクチン・後遺症、機械学習・AIや研究公正からも選択

[注] CONAN (Cas3 Operated Nucleic Acid detectioN); MPOX (エムポックス; Monkeypox; 旧称 サル痘)
 エムポックスはエムポックスウイルス(MPXV)による感染症である。コンゴ民主共和国(DRC)では2023年7月以降に、過去最大の感染者数・死亡者数が報告され、周辺国でも感染が拡大し、WHOは2024年8月にアフリカでのエムポックス流行が国際的に懸念される公衆衛生上の緊急事態(Public Health Emergency of International Concern; PHEIC)に該当すると宣言した。その後、対策が進み、2025年9月5日にPHEICに該当しないとされたが、アフリカでの流行は続いており、世界的にも散発的ではあるが感染が報告されている。日本国内では、2022年7月25日に欧州から帰国した成人男性がエムポックスと診断されて以来、11月11日時点で259例に達しており、そのうち247例は海外渡航歴が無い [以上、国立健康危機管理研究機構 感染症情報提供サイトの「複数国で報告されているエムポックスについて(第8報)2025-11-28」から抜粋]。
 Kairo-CONANは、CRISPR-Cas3のトランス切断活性を活かした新型コロナウイルス迅速検出法CONAN [*] の流れを汲んだバイオセンサーである。今回は、使い捨てカイロを安定した熱源として使用し、常温安定性のために凍結乾燥試薬を組み込み、ラテラルフローアッセイストリップによる読み出しを利用することで、外部電源や装置を介さずに15分でPCR法に匹敵するという迅速かつ高感度な検出が実現された。
 また、MPOXの系統に特異的なガイドRNA(crRNA)を設計することで、系統Ia、系統Ib、および系統IIbを含む複数の系統にわたるMPXV DNAの特異的検出も実現されている。
 Kairo-CONAN は、感染症診断の現場に適応したソリューションを提供するMPOX POCTバイオセンサーであり、また、他のウイルス感染にも対応可能なことから、2021年のG7で合意されたパンデミックと認識されてから100日以内にPOCTを開発・生産し初期の治療法も設定するという「100日ミッション(100 Days Mission)」のに応えるアプローチである。
[関連crisp_bio記事]
[出典] 
  • 論文 "Sustainable and portable CRISPR-based diagnostics for high-sensitivity Mpox detection" Hirano R, Yoshimi K [..] Mashimo T. npj Biosensing. 2025-12-01. https://doi.org/10.1038/s44328-025-00062-x [所属] 東大医科研, 理研 SPring-8.
  • 日本語解説 "電源不要・持ち運び可能なCRISPR診断法「Kairo-CONAN」開発 ―エムポックスウイルスの迅速・高感度検出に成功―" 東京大学医科学研究所プレスリリース. 2025-12-02. https://www.ims.u-tokyo.ac.jp/imsut/jp/about/press/index.html
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