[注] 2025年12月3日に、RFdiffusion2を用いた酵素設計の査読済み論文がNature Methods 誌から出版されている [*]。RFdiffusion2では原子とアミノ酸残基のハイブリッドアプローチを実装されており、個々の原子を設計対象の基本単位として扱うRFdission3は、RFdiffusion2の上位バージョンなる。
深層学習によってタンパク質設計が大きく前進したが、既存の手法の多くはタンパク質骨格の座標生成に限定されており、ほとんどの場合、他の生体分子との相互作用が考慮されていない。David Bakerが率いる研究チームは今回、リガンド、核酸、その他の非タンパク質原子群を考慮に入れたタンパク質構造を生成する拡散モデル、
RFdiffusion3 (RFD3)を、bioRxivプレプリントサーバーから公開した [右図はFigure 1から引用したRFD3のモデル図]。
RFdiffusion3 (RFD3)を、bioRxivプレプリントサーバーから公開した [右図はFigure 1から引用したRFD3のモデル図]。 RFD3では全てのポリマー原子が明示的にモデル化されているため、酵素設計などの課題に対する複雑な原子レベルの制約条件に基づいてモデルを条件付けることで、従来の手法よりもシンプルかつ効果的なde novo設計が実現されている。
RFD3は、様々なin silicoベンチマークにおいて、従来の手法と比較して10分の1の計算コストで優れた性能を発揮した。
概念実証実験として、DNA結合タンパク質とシステイン加水分解酵素を設計し、その特性を実験的に評価した結果、RFD3の幅広い適用可能性が示された。
任意の非タンパク質原子のコンテクストで、原子レベルの複雑な制約条件に従ってタンパク質構造を迅速に生成するRFD3は、タンパク質設計を通じて達成できる機能の範囲をさらに拡大するものである。
[RFdiffusionモデル関連crisp_bio記事]
- [*] 2025-12-09 RFdiffusion2を用いた原子レベルの酵素活性部位スキャフォールド構築
- 2025-11-08 AIによる抗体医薬設計前進 - RFdiffusionを用いて原子レベルで正確な抗体をデノボ設計
- 2025-09-23 配列特異的DNA結合タンパク質のコンピュータ設計と遺伝子制御への応用.
- 2025-08-11 プライム編集の効率を, ミスマッチ修復を阻害する低分子を生成AIで生成することで, 大幅に向上.
- [20240308更新] 生体分子全般のモデリングと設計を実現する全原子RoseTTAFoldとその拡散モデル版を開発.
- [20230818更新] 構造予測ネットワークと拡散生成モデルを統合することで、汎用性が高く精密なタンパク質設計を実現
- 2023-07-22 タンパク質生成AI:AIによるバイオ医薬品のデノボ設計
[出典] "De novo Design of All-atom Biomolecular Interactions with RFdiffusion3" Butcher J, Krishna R, Mitra R, Brent RI, Li Y, Corley N [..] Baker D. bioRxiv. 2025-11-19 (preprint). https://doi.org/10.1101/2025.09.18.676967 [所属] University of Washington, Seattle (米国), NVIDIA Corp, HHMI, Technical University of Denmark (デンマーク), University of Cambridge (英国), University of Oxford
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