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科学分野の比較的新しい論文と記事を記録しておくサイト: 主に、CRISPR生物学・技術開発・応用 (ゲノム編集, エピゲノム編集, 遺伝子治療, 分子診断/代謝工学, 合成生物学/進化, がん, 免疫, 老化, 育種 - 結果的に生物が関わる全分野) の観点から選択し、時折、タンパク質工学、情報資源・生物資源、新型コロナウイルスの起源・ワクチン・後遺症、機械学習・AIや研究公正からも選択

 マックス・プランク進化人類学研究所の研究チームは今回、ヒトiPS細胞を用いて、CRISPR-Cas9 GEにおいてDNA二本鎖切断(DSB)修復経路を調節する化合物を同定することを目的として、Drug screening for DSB repair pathway modulatorsFDA承認薬7,000種類以上をスクリーニングした [Fig. 1 a-e 引用右図参照]。
 このスクリーニングから、非相同末端結合(NHEJ)、マイクロホモロジー介在末端結合(MMEJ)、および相同組換え修復(HDR)に起因する修復結果の阻害薬および促進薬として再利用できる薬剤を特定した。
 また、ATMや53BP1など、いくつかの重要なDNA修復タンパク質に影響を与えるエストロゲン受容体2(ESR2)およびアルデヒドオキシダーゼ1(AOX1)タンパク質の機能も特定した。 ESR2のサイレンシングは、NHEJ阻害と組み合わせることで、HDRの増加に相乗効果をもたらす可能性が見えてきた(平均4.6倍の増加)。
 さらに、NHEJまたはHDRが阻害された際に合成致死を誘導する薬剤が特定され、これらはプレシジョン・メディシンの候補となる可能性がある。
 臨床的に安全な薬剤を用いてDNA修復の結果を調節する能力は、疾患モデル、遺伝子治療、キメラ抗原受容体免疫療法、そしてがん治療に役立つと期待される。
[出典] "Repurposing clinically safe drugs for DNA repair pathway choice in CRISPR genome editing and synthetic lethality" Macak D, Kanis P,  Riesenberg S.  Nat Commun. 2025-12-10. https://doi.org/10.1038/s41467-025-67243-0 [所属] Max Planck Institute for Evolutionary Anthropology (ドイツ)
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