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 塩基エディターは、Cas9ヌクレアーゼと異なり、DNA二本鎖を切断することなく、単一ヌクレオチドの正確かつプログラム可能な改変を可能にすることから、疾患の原因となる点突然変異を修正するツールとして期待されている。しかし、塩基エディターを臨床に展開するには、その非特異的な意図しない編集(オフターゲット編集)が依然として大きな課題である。
 Cas9nまたはdCas9, ガイドRNAおよびデアミナーゼで構成される塩基エディターのオフターゲット編集には、ガイドRNA依存と、塩基エディターに特有なガイドRNA非依存の2種類がある。後者のオフターゲット編集を軽減するための取り組みとしては、高活性なデアミナーゼに起因する特定部位での反復的なRNA脱アミノ化の検出に焦点が当てられてきた。これに対して、イスラエルの研究チームは今回、RNA改変の総負荷の定量化を試みた。これは、従来の検出を回避する確率的なオフターゲット編集を捕捉するのに特に効果的である。
 ここでは、RNA編集の結果を評価するアルゴリズムを介して、個々の遺伝子全体のオフターゲットレベルを定量化し、塩基エディター(ABEとCBE)の異常な編集の影響を受けやすいホットスポット遺伝子をそれぞれ、2,844件と1,253件の特定した。
 さらに、ホットスポット遺伝子のエクソン・レベルでの解析から、遺伝子内の特定の領域が特にオフターゲット編集を受けやすいことが、見えてきた。これには、編集によって未成熟終止コドンが導入される領域が含まれていることから、塩基エディターの治療応用において重大なリスクが存在することを意味する。
 これらの知見を活かして、今後より安全な次世代エディター開発が促進されることが、期待される。
[出典] "Off-Target RNA Editing Hotspots Caused by Base Editors" Shmuel-Eidelman M, Cohen-Fultheim R, Eisenberg E, Levanon EY. Mol Ther 2025-12-24. https://doi.org/10.1016/j.ymthe.2025.12.043 [所属] Bar-Ilan University (イスラエル), Tel Aviv University

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