華南農業大学の研究チームが今回、大腸菌における薬剤排出ポンプ複合体の構成要素をコードするacrB 遺伝子を標的とするCRISPR-Cas9 KO(ノックアウト)とCRISPRiによる転写抑制により、多剤耐性大腸菌分離株の抗菌剤に対する感受性を回復させることに成功した。
- CRISPR-Cas9システムを用いて、大腸菌臨床分離株GP53からacrB 遺伝子を正確に除去し、相同組換え(HR)を用いて二本鎖切断を正確に修復した。ノックアウト効率は11.46%に達した。
- アラビノース誘導性CRISPRiシステムは、蛍光レポーター株GH01を用いて開発および最適化された。CRISPRiは、設計したacrB を標的とする3種類のガイドRNA(gRNA)によって、転写のレベルでそれぞれ、44.9%、5.4%、23.5%の阻害率を示した。
- 多剤耐性大腸菌GP53のキノロン系およびテトラサイクリン系薬剤に対する感受性回復の効果は、CRISPR-Cas9 KOとCRISPRiの双方とも、排出ポンプ阻害剤PAβNの併用の効果を、有意に上回った。
[出典] "Harnessing CRISPR–Cas9 and CRISPRi systems to reverse antibiotic resistance in a clinical multidrug-resistant Escherichia coli isolate" Zhao R [..] Xiong W. J Antimicrob Chemother. 2025-12-24. https://doi.org/10.1093/jac/dkaf442 [所属] South China Agricultural University (Guangdong Provincial Key Laboratory of Veterinary Pharmaceutics Development and Safety Evaluation, National Risk Assessment Laboratory for Antimicrobial Resistance of Animal Original Bacteria)
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