CRISPR Dx(CRISPR/Casベースのバイオセンサー)は、その高い特異性とシグナル増幅により、超高感度で迅速な核酸検出を実現するツールとして登場した。それに加えて、紙をベースとする解析デバイス(Paper-based analytical devices: PADs)に実装されたCRISPR Dxは、簡便性、低コスト、携帯性に優れていることから、CRISPR DxをPOCT(Point of Care Testing)に展開するアプローチとして魅力的である。浙江大学を主とする中国の研究チームは今回、このアプローチの最近の進歩について、2つの側面に重点を置いたレビューを発表した:
- 蛍光、比色、電気化学、SERS(表面増強ラマン散乱)、および相互検証された結果を提供するデュアルモード読み出しを含むシグナル出力戦略
- CRISPRベースの紙センサーにとって最も実用的に有望なフォーマットの1つであるLFA(Lateral Flow Assay)およびマイクロ流体分析デバイスに焦点を当てたプラットフォームアーキテクチャ
また、試薬の安定性と反応の堅牢性を向上させるハイドロゲルの融合、および客観的でユーザーに依存しない読み出しの解釈と自動化を可能にするディープラーニング支援分析などの機能強化技術も取り上げげられている。
全体として、CRISPR ベースの紙センサーを、完全に統合されたワークフロー、増幅を必要としない操作、複数標的の多重ターゲット機能、産業化に対応した開発に向けて進化させることで、実用性と堅牢性が向上し、POCT や現場での展開に向けたより広範な応用がサポートされる可能性があるとした。
[出典] Review "Recent progress in CRISPR-based paper sensors for nucleic acid detection" Liu Y [..] Wu C. Trends Analyt Chem. 2025-12-27. https://doi.org/10.1016/j.trac.2025.118628 [所属] Zhejiang University, State Key Laboratory of Genetic Engineering, Human Phenome Institute/Fudan University;グラフィカルアブストラクト
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