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科学分野の比較的新しい論文と記事を記録しておくサイト: 主に、CRISPR生物学・技術開発・応用 (ゲノム編集, エピゲノム編集, 遺伝子治療, 分子診断/代謝工学, 合成生物学/進化, がん, 免疫, 老化, 育種 - 結果的に生物が関わる全分野) の観点から選択し、時折、タンパク質工学、情報資源・生物資源、新型コロナウイルスの起源・ワクチン・後遺症、機械学習・AIや研究公正からも選択

[注] ツマジロクサヨトウ(Metarhizium guizhouense)[農林水産省・植物防疫に関する情報];メタリジウム(Metarhizium guizhouense Xct1)[Wikipedia]
 Metarhizium guizhouense Xct1は、幼虫期のツマジロクサヨトウに対して高い病原性を示す(予備研究では90%を超える死亡率)。四川農業大学の研究チームは今回、その分子機構、特にキチン分解酵素(Chit1)やセリン/スレオニンキナーゼ(Hsk1 )といった主要遺伝子の役割の解明に取り組んだ。
  • Chit1 およびHsk1 遺伝子はM. guizhouense Xct1から増幅された。Chit1 M. anisopliae Chit1 に高い相同性を示したが、Hsk1 は遺伝的多様性を示した。
  • 発現解析の結果、Chit1 の発現は4日目(D4)にピークに達し、Hsk1 の発現は2日目(D2)にピークに達した。
  • CRISPR-Cas9 GEによりChit1 をノックアウトすると、細胞壁が肥厚し(野生型の87 nmに対して119 nm)、毒性が低下した(致死時間(LT50)の中央値が、野生型の4.8日に対して7.4日)。
  • Chit1 の過剰発現は毒性を改善した(LT50=3.3日)。
  • Hsk1 のCRISPR-Cas9 ノックアウトは致死的であり、その必須性が確認されたが、過剰発現では毒性は変化しなかった(LT50=4.8日)。
 こうして、Chit1 は細胞壁の完全性と殺虫活性に影響を与える重要な毒性因子であり、Hsk1 は真菌の生存に必須であり、Chit1 の過剰発現がS. frugiperda に対する生物防除効果を高めることが、明らかにされた。
[出典] "Functional characterization of Hsk1 and Chit1 genes in the virulence of Metarhizium guizhouense Xct1 via CRISPR-Cas9-mediated gene editing" Wei J [..] Li Q. Pest Manag Sci. 2025-12-24. https://doi.org/10.1002/ps.70484 [所属] Sichuan Agricultural University
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