海洋微生物は膨大な生合成能力を有しているが、その生合成遺伝子クラスター(BGC)の大部分は実験室条件下では転写サイレント状態のままになる。こうして遺伝学的に扱いにくいことが、これらの潜在的経路の活性化における大きな障壁となっていた。
山東大学と湖南師範大学の研究チームが今回、海洋細菌においてシームレスでマーカーフリーなゲノム編集を可能にする統合型Red/ET-CRISPR/Cas9システムであるRECCを報告している。
RECCはRed/ET組換えとCRISPR/Cas9を介した切断を組み合わせ、ワンステップのギブソンアセンブリによって相同性アームとプロトスペーサーを単一コンストラクト [Fig. 3 引用右図参照] に組み込むことを可能にし、ゲノム編集プロセスを大幅に簡素化する。- Pseudoalteromonas flavipulchra DSM 14401をモデルとして、RECCを用いて、サイレントな非リボソームペプチド合成酵素-ポリケチド合成酵素(NRPS-PKS)ハイブリッド遺伝子クラスターのネイティブ・プロモーターを強力な構成的プロモーターに置換した。この標的活性化により、これまで知られてこなかった一連のシクロリポペプチド(cyclic lipopeptide: flavipulchrinsと命名)が生成された。
- 構造解析とバイオインフォマティクス解析により、これらの代謝物の妥当な生合成経路が明らかになった。
総合的に、RECC は、遺伝的に扱いにくい海洋微生物の生合成能力の体系的な探索を促進する、強力かつ一般化可能なGE(ゲノム編集)プラットフォームを提供する。
[出典]
- "RECC: A Red/ET–CRISPR/Cas9-based system enabling genome mining of marine Pseudoalteromonas for novel natural products" Wang ZJ [..] Yan F, Huo L, Wang X. Synth Syst Biotechnol. 2026-01-10. https://doi.org/10.1016/j.synbio.2025.12.015 [所属] Shandong University, Hunan Normal University
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- 2026-01-08 極地海洋細菌であるPseudoalteromona fuliginea に対する CRISPR/Cas9 GEシステムの開発と機能ゲノミクスへの応用. https://crisp-bio.blog.jp/archives/39962095.html
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