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 複雑な天然芳香族ポリマーであるリグニンは、効率的な分解が困難なことから、多くの産業用途におけるバイオマス利用に対する障害になっている。この課題に対して、細菌によるリグニン分解が有力なアプローチと見られている。
 ライデン大学の研究チームは今回、リグニンおよびリグニン由来化合物の分解と利用に関与するPseudomonas putida が分泌する酸化酵素の機能を解明することを目的とする研究の成果を報告している。
  • CRISPR-Cas9およびCRISPR-Cas3システムを用いて、P. putida KT2440株から、推定リグニン分解多機能型ペルオキシダーゼ遺伝子(VP; PP_1686、当初グルタチオンペルオキシダーゼGPxとアノテーション)および色素分解ペルオキシダーゼ遺伝子(PP_3248)をそれぞれノックアウトした。
  • ∆PP_1686変異体は、リグニン由来化合物の生育および利用に障害を示した。これは、p-ヒドロキシ安息香酸水酸化酵素pobA およびDNA修復モジュールの発現低下と相関しており、エネルギーおよび酸化還元供給経路の代償的上方制御も伴っていた。
 こうして、細菌性グルタチオンペルオキシダーゼが活性酸素の分解以外の役割を持つことが明らかにされた。P. putida VP/GPx はリグニン由来の芳香族代謝をサポートしながら酸化還元バランスを維持する上で重要であり、また、ストレスと代謝の相互作用およびリグニンの商品価値を高めるための新たなターゲットを提供するに至った。
[出典]
  • "Utilization and valorization of lignin and lignin-derived compounds by Pseudomonas putida KT2440: A new role for glutathione peroxidase" Zhou Q [..] de Winde JH. New Biotechnol. 2026-01-11. https://doi.org/10.1016/j.nbt.2026.01.002 [所属] Leiden University (Molecular and Industrial Biotechnology and Institute of Biology Leiden; Biological Chemistry) (ドイツ);グラフィカルアブストラクト

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