マックス・プランク生物学研究所に籍を置く研究者達が、Cell Reports Methods 誌刊行論文において、CRISPR-Cas RNP (SpCas9とLbCas12a)をベースとする褐藻類の機能ゲノミクス研究を可能にするプラットフォームを紹介している。
褐藻類は、植物や動物とは異なる、独立して多細胞性に進化した3番目に複雑な系統である。しかしながら、褐藻類の発生と進化に関する機能研究には、効率的なゲノム編集ツールが欠如していた。研究チームは今回、生態学およびバイオテクノロジーの研究開発において重要な4種の褐藻類に適用可能な、堅牢で高効率かつトランスジーンフリーのCRISPRベースのゲノム編集プラットフォームを確立した。[グラフィカルアブストラクト参照]
- ポリエチレングリコール(PEG)を介したRNP送達システムを最適化することで、褐藻モデル植物Ectocarpus sp. 7において、クローニングや特殊な装置を介さずに、複数の遺伝子座にわたり、再現性の高い編集を実現した。
- 概念実証として、IMMEDIATE UPRIGHT(IMM)遺伝子座を正確に編集することで、特徴的なimm 変異体の表現型を再現した。APT/2-フルオロアデニン(2-FA)選択により、偽陽性を最小限に抑えながら特異性をさらに高めた。
- Ectocarpus sp. 7で検証したCRISPR GEは、大型の褐藻類であるケルプを含む他の種にも容易に転用できた。
このプラットフォームは、褐藻類の機能ゲノミクスを可能にし、発生、ライフサイクル制御、そして複雑な多細胞性の独立した進化を研究するための強力なツールを提供する。
[出典]
- "Efficient CRISPR-Cas genome editing in brown algae" Martinho C, Hoshino M, Raphalen M [..] Coelho SM. Cell Rep Methods. 2025-12-30. https://doi.org/10.1016/j.crmeth.2025.101273 [所属] Department of Algal Development and Evolution/MPI for Biology (ドイツ), Division of Plant Sciences at The James Hutton Institute/University of Dundee (英国), 神戸大学内海域環境教育研究センター
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