2026-05-07 プレプリントが Nature Reviews Immunology のJournal Club - Preprint watch記事で取り上げられました:"このプレプリントで、Chenらは生体内単一細胞CRISPRスクリーニングプラットフォームを用いて、腫瘍の進行に伴う加齢によってCD8+ T細胞の機能を損なう遺伝子調節因子を特定している"
2026-02-01 bioRxiv プレプリントに準拠した初稿
免疫老化(Immunosenescence)は、加齢に伴う免疫系の機能低下を指す。その中で、老化した腫瘍微小環境(老化TME)がT細胞の機能不全を引き起こすことが、癌免疫療法に対する障害であることへの認識がますます高まっている。しかし、このプロセスの重要な分子ドライバーや、老化TMEにおけるT細胞の機能不全を救済するための潜在的な標的は、完全には解明されていない。Mass General Brigham Cancer Institute, Broad Institute of MIT and HarvardとHarvard Medcial SchoolのDebattama R. Sen助教授の研究チームは今回、その解明に向けて老化腫瘍(aged tumor)および腫瘍流入領域リンパ節(tumor-draining lymph nodes: tdLNs)内のCD8⁺ T細胞を用いてマウス生体内単一細胞CRISPRスクリーニングを行った結果をベースに、高齢宿主におけるT細胞の持続性とエフェクター分化の重要な制御因子として、Dusp5とZfp219を同定したことを、報告している。
[出典] "CRISPR screen reveals regulators of age-associated CD8+ T cell dysfunction in cancer" Bianca M, McGaha T. Nat Rev Immunol. 2026-05-05. https://doi.org/10.1038/s41577-026-01308-z [所属] Preprint Club, University of Toronto.
2026-02-01 bioRxiv プレプリントに準拠した初稿
免疫老化(Immunosenescence)は、加齢に伴う免疫系の機能低下を指す。その中で、老化した腫瘍微小環境(老化TME)がT細胞の機能不全を引き起こすことが、癌免疫療法に対する障害であることへの認識がますます高まっている。しかし、このプロセスの重要な分子ドライバーや、老化TMEにおけるT細胞の機能不全を救済するための潜在的な標的は、完全には解明されていない。Mass General Brigham Cancer Institute, Broad Institute of MIT and HarvardとHarvard Medcial SchoolのDebattama R. Sen助教授の研究チームは今回、その解明に向けて老化腫瘍(aged tumor)および腫瘍流入領域リンパ節(tumor-draining lymph nodes: tdLNs)内のCD8⁺ T細胞を用いてマウス生体内単一細胞CRISPRスクリーニングを行った結果をベースに、高齢宿主におけるT細胞の持続性とエフェクター分化の重要な制御因子として、Dusp5とZfp219を同定したことを、報告している。
ERKシグナル伝達の負の制御因子であるDusp5 の欠損は、若年腫瘍と高齢腫瘍の双方において、ERK1/2のリン酸化を増加させ、T細胞の増殖を促進した。対照的に、転写抑制因子であるZfp219 の欠損は、細胞傷害性遺伝子プログラムのエピジェネティックなリプログラミングを誘導し、それによってグランザイム分泌を増加させ、抗腫瘍免疫を増強した。
さらに、高齢癌患者の腫瘍内CD8⁺ T細胞内では、ヒト相同遺伝子ZNF219 の発現が増加していた。ZNF219 の高発現は、免疫チェックポイント阻害(ICB)後の生存率低下と相関し、ヒト腫瘍内T細胞の持続性を低下させていた。
加えて、マウスにおいて、Zfp219 の除去が抗PD-1阻害と相乗効果を及ぼし、エフェクター様CD8⁺ T細胞を増殖させ、高齢宿主における抗腫瘍免疫と腫瘍クリアランスを著しく増強することが確認された。
これらの知見は、Dusp5とZfp219は加齢に伴うT細胞機能不全の重要な要因であり、高齢癌患者のT細胞抗腫瘍免疫を若返らせるための潜在的な治療標的であることを指し示している。
[出典]
- "CRISPR screens identify targets to rescue age-related T cell dysfunction in cancer" Chen ACY [..] Sen DR. bioRxiv 2026-01-24 (preprint). https://doi.org/10.64898/2026.01.22.701075 [所属] Massachusetts General Hospital (Krantz Family Center for Cancer Research; Center for Immunology and Inflammatory Diseases) (米国), Harvard Medical School (Department of Medicine), 3Broad Institute of MIT and Harvard
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