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 CRISPR-Cas9は、標的DNAの歪みと巻き戻しを引き起こしながら一連の構造変化を起こして、二本鎖DNA標的を識別し、切断する。Cas9の特異性に関する研究のほとんどはDNAの配列に焦点を当てており、DNA固有の物理的特性(「DNA形状」)がCas9活性の調節に果たす役割については、未だ十分に解明されていない。
 南カリフォルニア大学の研究チームは以前、16ヌクレオチド(-nt)の切断ガイドを用いることで、RNA-DNAハイブリッドの先にあるPAM+(17-20)セグメントにおけるDNA二本鎖の固有の解離エネルギーが、直鎖状基質のCas9切断速度を調整することを示した[*]
 今回は、16ヌクレオチドの切断ガイドを用いたCas9切断に対するDNAスーパーコイルの影響を調べた。酵素反応速度論解析により、RNA/DNAハイブリッドの先にあるPAM+(17-20) DNA配列は、スーパーコイル状態においてもCas9切断に対する効果を維持することが明らかになった。さらに、新規の非対称ヘアピン構造と並列逐次反応速度論モデルを組み合わせることで、スーパーコイル基質と直鎖状基質の両方において、Cas9による第一段階の切断と第二段階の切断の速度が得られた。どちらのトポロジーにおいても、第一段階のニッキングはPAM+(17–20) DNA配列によって明らかに影響を受け、その影響はRループのダイナミクスを規定するDNAの巻き戻しと相関していることが明らかになった。[グラフィカルアブストラクト参照]
[*]
[出典]
  • "Impacts of DNA Supercoiling on the Sequence-Dependent Nuclease Activity of CRISPR-Cas9 with Truncated Guides" Schuster I, Shlipak KK, Qin PZ. Biochemistry 2026-02-02. https://doi.org/10.1021/acs.biochem.5c00693 [所属] University of Southern California (Chemistry)
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