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科学分野の比較的新しい論文と記事を記録しておくサイト: 主に、CRISPR生物学・技術開発・応用 (ゲノム編集, エピゲノム編集, 遺伝子治療, 分子診断/代謝工学, 合成生物学/進化, がん, 免疫, 老化, 育種 - 結果的に生物が関わる全分野) の観点から選択し、時折、タンパク質工学、情報資源・生物資源、新型コロナウイルスの起源・ワクチン・後遺症、機械学習・AIや研究公正からも選択

 東南大学のState Key Laboratory of Digital Medical Engineeringを主とする中国の研究チームが今回、BRD2 RNA(ブロモドメイン含有タンパク質2)を特異的に認識するCas13a/crRNAシステムをベースとして大腸組織中のBRD2 RNAをラベルフリーで定量可能にする蛍光バイオセンサーを開発し、BRD2が、強力な非侵襲性の大腸癌(CRC)バイオマーカーとなり得ることを実証した。
 このバイオセンサーでは、BRD2 RNA存在下でCas13a/crRNAがそのコラテラル活性を発揮し、プローブのトランス切断を介してT7プロモーター配列を遊離させ、そのT7プロモーターにより効率的な転写増幅が誘導され。HBC620を発光できる豊富なPepper RNAアプタマーを合成する [グラフィカルアブストラクト参照]。こうして、CRISPR-Cas13aの精度、効率的な転写増幅、そしてRNAアプタマー-蛍光体複合体の優れた信号対雑音比といった相乗効果を活用することで、0.39 fMまでのBRD2 RNAを高感度に検出し、単一細胞レベルでの発現を正確に定量化することを可能にした。
 さらに、この蛍光バイオセンサーによって、明確なBRD2 RNA発現プロファイルに基づき、CRC患者組織と隣接する正常組織の識別が可能なことが、確認された。
 また、crRNAのプログラム可能性により、この蛍光バイオセンサーはcrRNAのスペーサー配列を改変するだけで、幅広いRNA標的(例えば、ノンコーディングRNAやウイルスRNA)の検出に容易に適応でき、CRC以外の疾患の早期臨床診断のための新たなパラダイムを提供する。
[出典]
  • "CRISPR/Cas13a-Engineered RNA-Based Fluorogenic Biosensor for Label-Free Quantification of RNA in Colorectal Tissues" Xu YC, Liu WJ, Li CC, Zhang D, Ma F, Zhang CY. Anal Chem 2026-02-04. https://doi.org/10.1021/acs.analchem.5c07694 [所属] Southeast University, Qingdao University of Science and Technology, Chengdu University of Technology
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