crisp_bio

科学分野の比較的新しい論文と記事を記録しておくサイト: 主に、CRISPR生物学・技術開発・応用 (ゲノム編集, エピゲノム編集, 遺伝子治療, 分子診断/代謝工学, 合成生物学/進化, がん, 免疫, 老化, 育種 - 結果的に生物が関わる全分野) の観点から選択し、時折、タンパク質工学、情報資源・生物資源、新型コロナウイルスの起源・ワクチン・後遺症、機械学習・AIや研究公正からも選択

 パイロトーシス(pyroptosis)は、有害な細胞を排除し、炎症を介して免疫応答を調節することで、感染症や内因性脅威に対する免疫防御において重要な役割を果たす。しかしながら、パイロトーシスの自然な活性化には複雑なシグナル伝達経路が関与していることから、研究や治療において人工的に操作するのは簡単ではない。武漢大学と湖北大学の研究チームは今回、A synthetic system for RNA-responsive pyroptosis 1パイロトーシスのエフェクター分子であるガスダーミンをタイプIII-E CRISPRフレームワークに統合し、標的RNA(tgRNA)を特異的に認識してパイロトーシスを誘導する革新的なシステムであるDAMAGE(Death MAnipulation Gene)を、Nature Communications 誌刊行論文から紹介している [Fig. 1 a 引用右図参照]
 タイプIII-E CRISPRを利用したことで、DAMAGEは、RNAトランスクリプトームが変化したウイルス感染細胞、癌細胞、老化細胞を選択的に識別し、排除するA synthetic system for RNA-responsive pyroptosis 2[Fig. 2 a引用右図のRSウイルスの例参照]
 さらに、DAMAGEはRNA不均一性に由来する疾患の治療に向けたmRNA-脂質ナノ粒子 (LNP) 製剤のプラットフォームとして大きな可能性を秘めている。

[出典]

  • "A synthetic system for RNA-responsive pyroptosis based on type III-E CRISPR nuclease-protease" He M, Wang W [..] Qin Y, Chen M. Nat Commun. 2026-02-10. https://doi.org/10.1038/s41467-026-69179-5 [所属] Wuhan University (State Key Laboratory of Virology and Biosafety), Hubei University (Shool of Life Sciences)
[Cas7-11/タイプIII-E関連crisp_bio記事]
このエントリーをはてなブックマークに追加

コメント

コメントフォーム
評価する
  • 1
  • 2
  • 3
  • 4
  • 5
  • リセット
  • 1
  • 2
  • 3
  • 4
  • 5
  • リセット