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Codon-optimized base editors エディンバラ大学ロスリン研究所のJinhai Wang博士らが、早期終止コドンを導入することでアトランティックサーモン(Salmo salar)の正確な遺伝子ノックアウトを誘導するコドン最適化塩基エディター(BE)を開発し、in vitro(細胞)および in vivo(胚)における効率的な塩基編集を経て、オフターゲット活性が低い3つの塩基編集されたアトランティックサーモン系統の樹立に成功したことを、Trends in Biotechnology 誌刊行論文で紹介している [グラフィカルアブストラクト引用右図参照]
[詳細]
  • ABE8eCBE4max-SpRYのコドンを Salmo salar に最適化し(ss-ABE8ess-CBE4max-SpRYと命名)、S. salar 細胞を用いたin vitroレポーターアッセイと受精卵へのマイクロインジェクションによる導入により、その性能を検証した。
  • コドン最適化により、塩基置換の効率が向上し、編集ウインドウ内のバイスタンダー編集活性が抑制されることが確認された。
  • mRNAとプラスミドを介した送達を比較したところ、プラスミド送達の方がわずかに編集効率が高かったが、細胞毒性が強くまた標的部位での意図しない編集活性が高かった。
  • ss-ABE8eとss-CBE4max-SpRYにより、複数の耐病性に関連する遺伝子座に未成熟終止コドンを介してタンパク質機能を完全に喪失させ、3種類のアトランティックサーモンの系統が樹立された。
 なお、実用化に向けて以下の課題に取り組むことが必要である:
  • プラスミド導入型とmRNA導入型のゲノム編集ツール間の編集パターンの違いを、そのメカニズムに基づいて解明する必要がある。
  • シーケンス済みのサブセットを除く、編集されたすべての個体について、包括的なオフターゲットプロファイリングを実用化で明らかにする必要がある。
  • 編集された稚魚は体が小さいため確認できなかった塩基編集のモザイク現象を今後の育種プログラムで評価する必要がある。
[出典]
  • "Codon-optimized base editors enable efficient base substitution in Atlantic salmon" Wang J [..] Robledo D. Trends Biotechnol. 2026-02-27. https://doi.org/10.1016/j.tibtech.2026.01.015 [所属] University of Edinburgh (英国), Northwest A&F University (米国), University of Santiago de Compostela (スペイン)
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