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 ワシントン大学セントルイスのKimberly Parker准教授が率いる研究チームは今回、遺伝子組換え微生物(genetically engineered microbes : GEMs)増殖に必須の標的遺伝子の二本鎖切断を引き起こすCRISPR-Cas9キルスイッチを用いたバイオコンテインメントの効果を、大腸菌モデルGEMにおいて評価した。
 驚くべきことに、コロニー形成単位(cfu)で測定した逃避率はわずか10-6.2であったのに対して、CRISPR標的遺伝子の存在量で測定した逃避率は10-1.610-1.0と数桁高いことが、明らかになった。
 この矛盾は、CRISPR-Cas9キルスイッチがコロニーの成長を阻止しながらも、標的遺伝子の大部分は無傷のまま残存していることを示唆している。
 また、バイオコンテインメント後1時間以内には、これらの標的遺伝子は主に無傷の細胞膜内に留まり、DNaseによる分解には抵抗性を示したが、河川水中では数日間にわたり分解が観察された。
 今回の結果は、意図しない環境リスクを最小限に抑えるためには、バイオコンテインメントがGEMとそのDNAの両方に与える影響を詳細に理解する必要があることを、示している。

[出典]
  • "Genetic Markers Remain Detectable in Genetically Engineered Microbes Biocontained with a CRISPR Kill Switch" Hartig AM [..] Parker KM. Environ Sci Technol. 2026-03-02. https://doi.org/10.1021/acs.est.6c00321 [所属] Washington University in St. Louis (米国), J. Craig Venter Institute
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