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科学分野の比較的新しい論文と記事を記録しておくサイト: 主に、CRISPR生物学・技術開発・応用 (ゲノム編集, エピゲノム編集, 遺伝子治療, 分子診断/代謝工学, 合成生物学/進化, がん, 免疫, 老化, 育種 - 結果的に生物が関わる全分野) の観点から選択し、時折、タンパク質工学、情報資源・生物資源、新型コロナウイルスの起源・ワクチン・後遺症、機械学習・AIや研究公正からも選択

 アムステルダム大学医療センター のElena Herrera Carrillo准教授が率いるオランダとスペインの研究チームが、標題CRISPR Dxを Molecular Therapy Nucleic Acids Research 誌刊行論文で紹介している。
 RNAウイルスは急速に進化し、宿主免疫や抗ウイルス療法を回避することから、持続的な診断戦略を実現するには、広域スペクトルのウイルス抑制および検出を可能にするツールが必要である。
 研究チームは今回、RNAウイルスであるコロナウイルス(CoV)において保存されているRNA依存性RNAポリメラーゼであるnsp12 (non-structural protein 12) の26ヌクレオチド配列を標的とする4つのCas13d-crRNAを設計し、これらの抗ウイルス効果を、7種類のヒトCoVすべての標的配列に対してin vitroで評価し、Broad-spectrum CRISPR-Cas13d試験したサンプル全体で強力な活性を示すことを確認した。[グラフィカルアブストラクト引用右図上段参照]
 同じcrRNAをCas13dをベースとするSHERLOCKアッセイに適応させ [グラフィカルアブストラクト引用右図下段参照]、複数のヒトCoVを検出したところ、SARS-CoV-2 RNAを1コピーでも検出できる高い感度を示すことが確認された。一方、インフルエンザなどの他の季節性呼吸器ウイルスでは検出可能なシグナルを示さなかった。
 このCRISPR-Cas13dアッセイとCas13d-based SHERLOCKアッセイの二重機能アプローチは、ウイルス感染の管理と検出の両方におけるCRISPR技術の汎用性と可能性を示している。
 さらに、バイオインフォマティクス解析により、crRNAの標的配列が動物コロナウイルス間で高度に保存されていることも明らかになった。これは、この配列を標的とすることで、新興コロナウイルスのパンデミック発生時に、治療法や診断法を迅速に開発できる可能性が示唆している。

[出典]
  • "Broad-spectrum CRISPR-Cas13d-mediated strategy for combating human coronaviruses" Yu Z, Hussein M, Bao Y [..] Herrera-Carrillo E. Mol Ther Nucleic Acids 2026-03-05. https://doi.org/10.1016/j.omtn.2026.102888 [所属] University of Amsterdam (Amsterdam UMC; Medical Microbiology and Infection prevention, Institute for Logic, Language and Computation)(オランダ), Amsterdam Institute for Immunology and Infectious Diseases, National Center of Biotechnology (Dept Molecular and Cell Biology)(スペイン), Spanish National Research Council (Institute of Parasitology and Biomedicine "López-Neyra")
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