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科学分野の比較的新しい論文と記事を記録しておくサイト: 主に、CRISPR生物学・技術開発・応用 (ゲノム編集, エピゲノム編集, 遺伝子治療, 分子診断/代謝工学, 合成生物学/進化, がん, 免疫, 老化, 育種 - 結果的に生物が関わる全分野) の観点から選択し、時折、タンパク質工学、情報資源・生物資源、新型コロナウイルスの起源・ワクチン・後遺症、機械学習・AIや研究公正からも選択

 CRISPR-Cas12aは、ゲノム編集や分子診断(CRISPR Dx)に広く用いられているコンパクトなRNA誘導型ヌクレアーゼであるが、シス切断効率の低さや、トランス切断の挙動の解明が不十分なため、その幅広い応用が制約されているところがある。
 これらの制約を克服するため、華中農業大学を主とする中国の研究チームは今回、AlphaFold2を基盤とした人工知能(AI)誘導型構造探索パイプライン(AI-guided structural discovery pipeline)を開発し、メタゲノムデータセット(Global Microbial Gene Catalog)から、これまで特徴づけられていなかった1,261個のCas12aオルソログを同定した。
 このうち、構造的に保存されているものの配列から見た相同性が低い21個の候補を選定し、生化学的特性解析を行った。構造情報に基づくエンジニアリングを用いて、ヒト細胞におけるゲノム編集効率がベンチマークであるAsCas12a Ultraに匹敵する高精度変異体PcuCas12a MAXを、野生型のPcuCas12aから作出した。
 PcuCas12a MAXは、ヒト細胞以外にもマウス胚の編集、およびブタ胎児線維芽細胞編集/体細胞核移植の実験においても高い編集活性を示した。
 さらに、トランス切断速度とcrRNA特異性が異なる4つのオルソログ(LcoCas12aFcaCas12aEsoCas12a、およびMac2Cas12a)を利用することで、4種類のウイルスを、ワンチューブ反応系で視覚的に同時に検出することに成功し、複数の核酸標的を同時に検出できるマルチプレックスCRISPRセンサーの構築が容易になることが示された。
 これらの知見は、Cas12aエンドヌクレアーゼのレパートリーを拡大し、ゲノムエンジニアリングおよび次世代CRISPR Dxに貢献することが期待される。

[出典]
  • "Structural mining and engineering of metagenome-derived Cas12a orthologs expands the CRISPR genome editing and multiplex diagnostics toolkit" Tao D, Xu B, Li S, Liu H [..] Li X, Zhao S, Xie S. Mol Ther. 2026-03-10. https://doi.org/10.1016/j.ymthe.2026.03.011 [所属] Huazhong Agricultural University, Northwest A&F University, Yazhouwan National Laboratory, Zhejiang University School of Medicine, Frontiers Science Center for Animal Breeding and Sustainable Production
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