トカゲとヘビを含む有鱗目は、11,000種以上が記載されている多様な爬虫類群である。しかし、有鱗目における遺伝子機能の研究は、確立された遺伝子ツールや適切な実験系が不足しているため、極めて限られていた。CRISPR-Cas遺伝子編集技術も、受精卵や単細胞胚の分離がほとんどの種で困難なことにから、適用が阻まれてきた。これは、受精が体内で起こり、多くの種の雌が精子を貯蔵できること、そして排卵を検出する簡便な方法が不足していることが原因である。
米国ジョージア大学のDouglas Menke教授の研究チームは今回、これらの課題を克服するために、ブラウンアノールトカゲ(Anolis sagrei)において、独自の外科的手法を開発した。この手法を用いることで、トカゲの卵巣内で成熟途中の未受精卵にアクセスし、マイクロインジェクションを行うことが可能になる。
プロトコル論文では、成体メスのアノール・トカゲを麻酔し、体腔への外科的切開を通して卵巣にアクセスし、未受精卵にCRISPR-Cas9リボ核タンパク質複合体をマイクロインジェクションして標的変異を生成し、遺伝子編集トカゲを日常的に生産できるようにする方法について、説明されている。
[出典]
- "A Surgical Method for Oocyte Injection and CRISPR-Cas9 Mutagenesis in Anolis Lizards" Sabin CE, Sukhada P [..] Menke DB. Cold Spring Harb Protoc; 2025-07-31/2026 Apr. https://doi.org/10.1101/pdb.prot108652 [所属] University of Georgia (Neuroscience Division of the Biomedical and Translational Sciences Institute; Dept Cellular Biology; Dept Genetics)
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