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科学分野の比較的新しい論文と記事を記録しておくサイト: 主に、CRISPR生物学・技術開発・応用 (ゲノム編集, エピゲノム編集, 遺伝子治療, 分子診断/代謝工学, 合成生物学/進化, がん, 免疫, 老化, 育種 - 結果的に生物が関わる全分野) の観点から選択し、時折、タンパク質工学、情報資源・生物資源、新型コロナウイルスの起源・ワクチン・後遺症、機械学習・AIや研究公正からも選択

 長鎖非コードRNA(lncRNA)は、加齢および老化過程において転写およびエピジェネティックなプログラムを制御する。しかしながら、これらの多様な制御機能を明らかにするために、多層的な解析を体系的に統合した包括的な研究はこれまで行われていない。さらに、加齢関連疾患に対する治療可能性を持つlncRNAは未だ十分に研究されていない。
 北京大学のJing-dong Jackie Han教授が率いる中国の研究チームは今回、Perturb-seqベースのCRISPR-dCas9-KRABノックダウンシステム(CRISPRi)と単一核マルチオミクスプロファイリングを組み合わせることで、32種類の高発現加齢・老化関連lncRNA(PtbAlncs)に体系的摂動を加えた。このアプローチによって、トランスクリプトーム解析とクロマチンアクセシビリティ解析を同時実行が可能になった。
 この解析により、これまで特徴づけられていなかったlncRNAが老化制御において重要な役割を担っていることが明らかになり、in silicoおよび実験的に検証された。これらのlncRNAsは、単一細胞ATACシーケンスモジュール内の多様でありながら重複するエピジェネティックモチーフを介して、異なる単一細胞RNAシーケンスモジュールを調節する。
 一連のlncRNAsの中でも、DNA修復関連PtbAlncであるHOTAIRM1は、凝縮体内の二本鎖切断部位でBANF1およびp53と協調してDNA修復を安定化させる。HOTAIRM1の欠損はDNA修復を阻害し、p53を介した老化を引き起こす。老齢マウスの肺において、アデノ随伴ウイルスを介したHOTAIRM1の過剰発現は、線維化を減少させ、組織損傷を軽減し、細胞増殖を促進し、その治療可能性を裏付けた。

[出典]
  • "Multiomic single-cell perturbation screens reveal critical lncRNA regulators of senescence" Zhu S, Ying S [..] Han JJ. Nat Aging. 2026-03-31. https://doi.org/10.1038/s43587-026-01100-7 [所属] Peking University (Peking-Tsinghua Center for Life Sciences) (中国), University of Rochester (Dept Biology and Medicine), Peking University Chengdu Academy for Advanced Interdisciplinary Biotechnologies
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