[注] これまでの塩基エディターに利用されてきたデアミナーゼには、一本鎖DNAを標的とするアポリポタンパク質B mRNA編集酵素触媒ポリペプチド (APOBEC)/活性化誘導シチジンデアミナーゼ(AID)様デアミナーゼと、二本鎖DNAを標的とするデアミナーゼ(DddA)がある。
DNA二本鎖切断を介さずに精密な一塩基分解能の編集を実現したCBEの課題は、遺伝子治療に広く利用されているアデノ随伴ウイルス(AAV)の容量(< 4.7 kb)を超えるその大きなサイズにある(APOBEC/AID様デアミナーゼのサイズは198〜384 aa)。
吉林大学を主とする中国の研究チームはこの課題を克服するため、中国科学院遺伝与発育生物学研究所を主とする中国の研究チームが発見したコンパクトで(138aa~158aa)活性な一本鎖DNAデアミナーゼ(ssDNA deaminases:Sdd) [#] から出発するウェブベースの高速汎用探索( web-based fast generic discovery:WFG)戦略 [論文Figure 1参照] を介して、新たに6つのコンパクトなSddを同定した。
吉林大学を主とする中国の研究チームはこの課題を克服するため、中国科学院遺伝与発育生物学研究所を主とする中国の研究チームが発見したコンパクトで(138aa~158aa)活性な一本鎖DNAデアミナーゼ(ssDNA deaminases:Sdd) [#] から出発するウェブベースの高速汎用探索( web-based fast generic discovery:WFG)戦略 [論文Figure 1参照] を介して、新たに6つのコンパクトなSddを同定した。
Sddの機能は、AncBE4max 内のラット由来のシチジンデアミナーゼ(rAPOBEC1:229〜236 aa)を新たに同定したSddに置き換えた一連のSdd-CBE 1.0にて確認した。その結果、SflSdd-CBE 1.0、AirlSdd-CBE 1.0、SviSdd-CBE 1.0、LaeSdd-CBE 1.0、AbaSdd-CBE 1.0、およびAtoSdd-CBE 1.0が、HEK293T、MARC-145、PK-15、およびHeLa細胞においてC-to-T変換を実現することが確認された。
特に、SflSdd-CBE 1.0とAirlSdd-CBE 1.0は高効率なC-to-T変換と広い編集ウィンドウを示し、一方で、SviSdd-CBE 1.0は中程度のC-to-T変換効率と狭い編集ウィンドウを示した(それ以外のSdd-CBE 1.0の編集効率は低いことがHEK293T細胞において確認された)。
SddはAPOBEC/AID様デアミナーゼよりもコンパクトではあるが、生体内遺伝子編集に向けてCBEに組み込んで単一AAV粒子ベクターで送達するにはサイズがまだ大きい。研究チームは、AlphaFold2を利用して候補Sddの構造を予測し、信頼性が低いとされた構造領域(柔軟あるいは天然変性してると想定される領域)を削除することにより、SflSdd、SviSdd、およびAir1Sddのよりコンパクトなバージョン(それぞれSflSddmini、SviSddmini、およびAir1Sddminiと命名)を導出した
[グラフィカルアブストラクト引用右図の右下参照]。その上で、Sdd-CBE 1.0中のSddを対応するSddminiに置き換えることにより、Sdd-CBE 2.0を構築した。
[グラフィカルアブストラクト引用右図の右下参照]。その上で、Sdd-CBE 1.0中のSddを対応するSddminiに置き換えることにより、Sdd-CBE 2.0を構築した。 Sdd-CBEs 2.0の実験結果から、Sdd-CBEs 2.0はサイズが効果的に縮小されただけでなく、in vitroでの効率も維持されていることが確認された。さらに、nSpCas9をより小型のnSaCas9に変更したSflSdd-CBEs (nSaCas9) 2.0は、マウスin vivoにて、PCSK9部位のC-to-T編集を達成し、マウスのPCSK9欠損と血中コレステロール値の低下を引き起こすことが実証された。
こうして、コンパクトな塩基エディターSdd-CBE2.0が誕生した。
[出典]
- "Accelerated discovery and miniaturization of novel single-stranded cytidine deaminases" Deng J, Li X [..] Pang D, Yuan H. Nucleic Acids Res 2024-10-14. https://doi.org/10.1093/nar/gkae800 [所属] Jilin University (College of Animal Sciences; Chongqing Research Institute) (中国), Chongqing Jitang Biotechnology Research Institute
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