臨床サンプル中のタンパク質バイオマーカーの高感度かつ正確な検出に向けて、金ナノ粒子(AuNP)を用いたCRISPR-Cas12aバイオセンサーが有望視されている。しかし、AuNPは、凝集しやすく、また、様々な不要な物質が非特異的に吸着すること、その合成プロセスが複雑で高コストであることから、実用化が制限されている。
米国ミズーリ大学の研究チームは、トランスデューサーおよび信号増幅器として利用されてきたAuNPをラテックス (ポロスチレン)・ビーズ (粒子)(PSP)* に変更し、確立された臨床的に重要な炎症性バイオマーカーであるインターロイキン-6(IL-6)を検出するためのCRISPR-Cas12aベースの、実用になる蛍光バイオセンサーを開発した。
[*] PSPは、通常ナノメートルからマイクロメートルの範囲の単分散ポリマー粒子であり、多様な表面官能基を設計することで、多様なバイオコンジュゲーション戦略が可能になる。
[*] PSPは、通常ナノメートルからマイクロメートルの範囲の単分散ポリマー粒子であり、多様な表面官能基を設計することで、多様なバイオコンジュゲーション戦略が可能になる。
IL-6検出抗体を機能化した磁気ビーズ、IL-6検出抗体と抗体分子あたり複数の二本鎖DNAの両方を担持する二重機能化PSP、そしてCas12a-crRNAシステムを組み合わせることで、検出限界(LOD)0.76 pg/mLという低濃度でIL-6を検出することに成功した。さらに、ヒト血清アルブミン(HSA)、ウシ血清アルブミン(BSA)、C反応性タンパク質(CRP)、プロカルシトニン(PCT)、IL-2βなどの非標的タンパク質はIL-6の検出の障害にはならず、高い選択性も示された。加えて、模擬血清サンプルを用いた分析により、このセンサーの実用性が確認された。
こうして、ラテックスビーズがCRISPRベースのタンパク質診断において、早期疾患診断のための高い感度を維持しながら安定性と特異性を向上させ、金ナノ粒子の代替になりえることが示された。
[出典]
- "From Gold to Polymer: Latex Bead-Assisted CRISPR-Cas12a Platform for Next-Generation Protein Diagnostics" Jahani R [..] Munusamy S, Guan X. ACS Measurement Science Au. 2026-03-30. https://doi.org/10.1021/acsmeasuresciau.6c00030[ 所属] University of Missouri (Dept Chemistry)
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