1. 酵母Rad52をCas9に融合すると、ヒト細胞とブタ細胞での相同組み換え修復(HDR)が亢進する
- 【出典】“Enhancing CRISPR/Cas9-mediated homology-directed repair in mammalian cells by expressing Saccharomyces cerevisiae Rad52.” Shao S, Ren C, Liu Z, Bai Y, Chen Z, Wei Z, Wang X, Zhang Z, Xu K. Int J Biochem Cell Biol. 2017 Sep 18;92:43-52.
- Cas9にDNA組換え修復タンパク質Rad52の共発現またはRad52の融合により、ヒトHEK293T細胞においてHDR効率がほぼ3倍に。Rad52-Cas9融合は、プラスミド、PCRおよびssDNAを介したHDR全てを亢進。非相同末端結合(NHEJ)阻害剤Scr7を加えると、HDR効率がさらに〜40%向上;また、Rad52-Cas9融合は、ブタ腎臓由来PK15細胞におけるIGF2遺伝子のHDR効率を2.2倍に向上。
2. CRISPR/Cas9遺伝子ノックアウト効率は、標的のコピー数には依存せず、gRNAの活性とCas9/sgRNAの発現レベルに依存する
- 【出典】“CRISPR/Cas9-mediated gene knockout is insensitive to target copy number but is dependent on guide RNA potency and Cas9/sgRNA threshold expression level.” Yuen G, Khan FJ, Gao S, Stommel JM, Batchelor E, Wu X, Luo J. Nucleic Acids Res. 25 September 2017.
- HEK293T細胞とU2OS細胞にEGFPをそれぞれ1〜21コピーと1〜12コピー導入し、活性の異なるsgRNAを用意し、Cas9/sgRNAの発現レベルを調節して、CRISPR/Cas9ノックアウト効率(以下、KO 効率)を体系的に解析:高活性のsgRNAが高効率のKOをもたらし、低活性のsgRNAでもCas9/sgRNAの発現レベルが一定以上の場合は高効率のKOが生じるが、KO効率の標的コピー数依存性は見られなかった。また、標的変異のほとんどがCas9/sgRNA形質転換から5〜10日に生じ、sgRNAsの活性に従ってKO効率のタイムラインが変化し、低活性のsgRNAの場合は特に、低発現のCas9/sgRNAは長期間かけても標的変異に至らなかった。
3. ウィスコット・オルドリッチ(Wiskott-Aldrich)症候群遺伝子座のゲノム編集:ZFNsとCRISPRの比較
- 【出典】“Comparison of ZFNs versus CRISPR specific nucleases for genome edition of the Wiskott-Aldrich Syndrome locus.” Gutierrez-Guerrero A, ~ Martin F. Hum Gene Ther. 2017 Sep 19.
- K562細胞をモデルとして、プラスミド・ヌクレオフェクションまたはインテグラーゼ欠損型レンチウイルス(IDLVs)によるデリバリーで、WASを標的とする種々のCRISPR/Cas9システムとホモ/ヘテロ二量体ZFNsのゲノム編集を比較。
- プラスミド・ヌクレオフェクションでは、双方のゲノム編集効率は同等であった。
- IDLVsデリバリーでは、ZFNsの編集効率がCas9よりも高く、標的特異性についてはヘテロ二量体ZFNsとCRISPR/Cas9が同等であり、ホモ二量体ZFNsの特異性は低かった。HDRノックイン効率も、ヘテロ二量体ZFNsとCRISPR/Cas9はそれぞれ88%と83%であったが、ホモ二量体ZFNsの効率は45%であった。
- 興味深いことに、IDLVsによるデリバリーの方がより効率的で遺伝毒性はより低かった。
- 結論として、WAS遺伝子治療には、WAS特異的ヘテロ二量体ZFNsのIDLVsデリバリーを推奨する。
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