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科学分野の比較的新しい論文と記事を記録しておくサイト: 主に、CRISPR生物学・技術開発・応用 (ゲノム編集, エピゲノム編集, 遺伝子治療, 分子診断/代謝工学, 合成生物学/進化, がん, 免疫, 老化, 育種 - 結果的に生物が関わる全分野) の観点から選択し、時折、タンパク質工学、情報資源・生物資源、新型コロナウイルスの起源・ワクチン・後遺症、機械学習・AIや研究公正からも選択

- スペインのムルシア大学 Joaquin Gadea教授を責任著者とするScientific Reports 誌刊行論文

CONNEXIN ヒトの非症候性先天性難聴の大部分の原因として、コネクシン26(Cx26)をコードするGJB2 遺伝子の変異が知られています [右図はWikipediaから引用したコネクシンの模式図]
 変異が疾患をもたらす機構については、マウスのGJB2 ノックアウトモデルを介して知見が得られてきましたが、マウスとヒトの間の解剖学的および生理学的差異により、その臨床応用上の意義は限られています。
 マウスに対してブタは聴覚の解剖学的構造と成熟がヒトとよく似ているため、貴重な大型動物モデルとされています。スペインの研究チームは今回、受精前のブタ卵母細胞でGJB2 をノックアウトする2種類のゲノム編集(GE)を比較しました:
(1)CRISPR/Cas9リボ核タンパク質(以下、Cas9 RNP)のエレクトロポレーション
 RNPの濃度3レベルのいずれにおいても高い突然変異率(70~90%)が得られましたが、得られた胚盤胞はほとんどがヘテロ接合体またはモザイクで、ホモ接合体のノックアウトは限定的でした (4%未満)。
(2)シトシン塩基エディター(BE3)とガイドRNA(sgRNA)のマイクロインジェクション
 シトシンからチミンへの変換を介して未成熟終止コドンを導入するアプローチで、総編集率は最大47%、ホモ接合体のナンセンスアレルが20%を占めるに至りました。また、従来のCRISPR/Cas9 GEよりも予測可能な突然変異をもたらしましたが、一方で、濃度が高いほど胚盤胞形成が低減しました。
 いずれにしても、どちらの方法もGJB2 を効果的に標的とし、ブタ卵母細胞における受精前ゲノム編集の実現可能性を示しました。

[出典]
  • "Gene editing of the GJB2 locus in porcine embryos using CRISPR/Cas9 and cytosine base editors: toward a model of congenital deafness" Piñeiro-Silva C, Bermejo-Álvarez P, García-Purriños FJ, Gadea J. Sci Rep. 2026-04-18 https://doi.org/10.1038/s41598-026-49229-0.  [所属] University of Murcia (Biomedical Research Institute of Murcia Pascual Parrilla-IMIB) (スペイン), Los Arcos del Mar Menor University Hospital, Animal Reproduction Department INIA-CSIC
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